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2010(平成22) 年度 生存圏科学 萌芽研究 12

更新日: 2017/09/22

研究課題

宇宙太陽発電所の超大規模フェーズドアレーアンテナにおける位相最適化問題の研究

研究組織

 代表者 三谷友彦 (京都大学生存圏研究所)
 共同研究者 田中俊二 (京都大学工学研究科)
蛯原義雄 (京都大学工学研究科)

研究概要

宇宙太陽光発電は、生存圏科学に資する最重要プロジェクトの一つとして生存圏研究所で推進されているが、技術的な課題はまだまだ多い。本研究では技術課題の一つであるマイクロ波送電システムのフェーズドアレーアンテナに着目する。宇宙太陽光発電においてはアンテナ素子を平面上に多数配置したフェーズドアレーアンテナにより無線電力伝送を行うことが検討されている。フェーズドアレーアンテナでは、各アンテナ素子に移相器を挿入し、励振位相を能動的に制御することでビームパタンを変化させることができる。

フェーズドアレーアンテナ研究は多数存在するが、宇宙太陽発電所のフェーズドアレーアンテナに過去の研究を適用する際の重大な問題点として、過去の研究ではビームパタンの高分解能化やビーム方向精度の向上等が主目的であったため移相器による電力損失は考慮されてこなかった。励振位相をきめ細かく変化させるには移相量の異なるデジタル移相器を複数段挿入する必要があるが、電力損失は移相の段数により決まるため、励振位相をきめ細かく変化させるとそれだけ電力損失も大きくなってしまう。

一方で、フェーズドアレイアンテナにおいて望ましいビームパタンを形成する問題は、適切な目的関数を設定することにより、励振位相を決定変数とした最適化問題として扱うことができる。そこで従来にはない萌芽的かつ先端的なフェーズドアレーアンテナの研究として、移相器での電力損失を考慮した超大規模アクティブフェーズドアレイアンテナのビームパタン形成問題を最適化手法により解決し、フェーズドアレーアンテナの位相最適化による宇宙太陽発電所のマイクロ波無線電力伝送の高効率化を目指す。

三谷友彦: 2010(平成22)年度 生存圏科学萌芽研究

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2010年7月30日作成

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