Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2010(平成22) 年度 生存圏科学 萌芽研究 11

研究課題

銀ナノインクのバイオナノファイバー基板への印刷特性評価

研究組織

 代表者 能木雅也 (大阪大学産業科学研究所)
 共同研究者 矢野浩之 (京都大学生存圏研究所)
伊福伸介 (鳥取大学工学研究科)
阿部賢太郎 (京都大学次世代開拓研究ユニット)

研究概要

電子機器の微細配線は、薬品処理・高温真空加熱など複雑なプロセスによって銅箔膜を切り抜いて作製される。この製造技術は、多くの材料やエネルギーを無駄に消費し環境負荷が極めて大きい。一方、インクジェット印刷などの印刷技術によって電子部品や機器を製造する技術:プリンテッド・エレクトロニクスは、低温で必要な部分だけに配線を作製する技術であるため、低コスト・低環境負荷プロセスとして期待されているおり、2027 年までにプリンテッド・エレクトロニクス関連市場は 30 兆円規模への成長が見込まれている(図 1)。

ここ数年の研究開発により、プリンテッド・エレクトロニクスのプロセス温度は、400–500 ℃から 200 ℃付近まで下がってきた。この温度域では、ポリイミドなど高耐熱性プラスチックの使用が可能であるため、それらを想定したプロセス技術の改良・最適化がすでに進行中である。しかしながら、石油依存型社会から脱却し持続的発展可能な社会を構築するためには、プラスチック基板がデファクトスタンダードになる前に、バイオナノファイバー基板を用いたプリンテッド・エレクトロニクス技術をいち早く確立する必要がある。

これまでの研究成果より、電子デバイス用基板としてのバイオナノファイバー基板の材料ポテンシャルは、既存のプラスチック基板よりも優れていることが明らかになっている。しかし、当該分野におけるバイオナノファイバー基板を用いた研究開発事例は非常に少なく、特にプリンテッド・エレクトロニクスにおいて最も重要な要素技術である「銀ナノインクを用いた微細な金属配線の印刷」に関する知見は皆無であるため、バイオナノファイバー基板材料は次世代電子デバイス製造プロセスの候補材料になり得ない状況にある。そこで本研究では、銀ナノインクのバイオナノファイバー基板への印刷特性を評価し、プリンテッド・エレクトロニクス用基板材料としての可能性を探る。

能木雅也 : 2010(平成22)年度 生存圏科学萌芽研究(阪大産研菅沼教授作図)図 1 プリンテッド・エレクトロニクスが切り開く未来の生活(阪大産研菅沼教授作図)

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2010年7月30日作成

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