Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2010(平成22) 年度 生存圏科学 萌芽研究 4

研究課題

海洋生物由来の微細繊維「マリンナノファイバー」を配合した機能性繊維材料の開発

研究組織

 代表者 伊福伸介 (鳥取大学工学研究科)
 共同研究者 梶田秀樹 (オーミケンシ(株))
アントニオ・ノリオ・ナカガイト (鳥取大学工学研究科)
三郎 (鳥取大学農学研究科)
矢野浩之 (京都大学生存圏研究所)

研究概要

我々は世界に先駆けて、カニやエビの殻に内包される「キチンナノファイバー」を簡単、大量に単離する技術を開発した(図 1)。キチンナノファイバーは幅が 10–20 nm と極めて細く、計測出来ないほどに長く、均質である。生存圏においては、セルロースナノファイバーに次ぐ生産量があることから、その高度有効利用は持続型生存圏の構築に不可欠である。

キチンナノファイバーは伸びきり鎖の結晶性繊維であるため、高強度、高弾性、低熱膨張、高熱伝導である。本研究ではこの材料の優れた物性と形状に着目し、キチンナノファイバーを補強材として配合した新規な高機能・高性能繊維を開発する。

キチンナノファイバーは物性に優れているため、プラスチック等の繊維補強用フィラーとしての利用が効果的であるが、汎用性合成繊維との複合化においては相溶性に課題があり、これまでにその様なナノ材料開発は行われていない。本研究ではキチンナノファイバーを水に溶解したバイオマス材料と共に再生、紡糸することでその課題を解決する。また、キチンナノファイバーをバイオマス繊維の補強繊維として利用する発想は、キチンナノファイバーの性質を考慮した理にかなったものであり、生存圏に最も豊富に存在するバイオマス資源の先端的な高付加価値利用といえる。優れた生体機能と物性を有した新規機能繊維は、衰退しつつある国内の繊維産業を活性化させる可能性を大いに秘めており、本研究の推進はカニ殻の有効利用を通じて、水揚げ基地を多数有する日本海一帯の地域経済の活性化に繋がると期待している。

伊福伸介: 2010(平成22)年度 生存圏科学萌芽研究

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2010年7月30日作成

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