Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2009(平成21) 年度 生存圏科学 萌芽研究 8

研究課題

樹木の細胞壁厚を制御する遺伝子の同定

研究組織

 代表者 鈴木史朗 (京都大学・生存基盤科学研究ユニット)
 共同研究者 今井友也 (京都大学・生存圏研究所)
渡邊崇人 (京都大学・生存圏研究所)
拓郎 (京都大学・生存圏研究所)

研究概要

樹木の細胞壁厚、とりわけ、木材の大部分を占める木部細胞の細胞壁厚は、長さや直径とともに、広葉樹材の利用上重要な要素である。例えば、同じ化学成分で、同じマトリックス構造を有し、同じ単位体積当たりの細胞数を有する広葉樹材ならば、木部細胞の細胞壁厚が増大すれば、強度が高くなり、必要な木材量を減らすことができるし、密度が上昇するため、木材の輸送コストを削減できると考えられる。また、木部繊維の細胞壁厚は、これを原料とする紙パルプの性質に大きく影響する。しかし、木材の細胞壁成分と同様に重要な要素である木部細胞の壁厚を制御する遺伝子については、これまでほとんど未解明である。

そこで、本研究では、樹木植物のモデルであるポプラを用い、木部細胞の壁厚を制御する遺伝子の同定を行う。具体的には、ポプラの二次木部で特異的に発現している転写因子遺伝子を探索し、これらの遺伝子を過剰発現または発現抑制させた形質転換体ポプラを作成する。次に、得られた形質転換ポプラの二次木部における細胞壁率や道管横断面寸法などの各種特性を調べ、これらの転写因子遺伝子の過剰発現または発現抑制による木部細胞の壁厚への影響を調べる。また、形質転換ポプラにおける壁厚の変化が物性や化学成分に与える影響を調べる。本研究により、細胞壁厚を自由に制御するための基礎技術を見出すことができれば、パルプ工業、木材工業およびバイオリファイナリーにおける技術革新に貢献すると期待される。

鈴木史朗 2009図 ポプラの形質転換。
右: 形質転換前のポプラ。中、左: ポプラの茎切片にアグロバクテリウムを感染させて得られた形質転換ポプラ。

ページ先頭へもどる
2009年10月8日作成

一つ前のページへもどる