概要
地球環境の保護がますます重要視される中、カーボンニュートラルなエコ素材として注目されるCNF材料について、最新の研究発表、企業間の共同開発で実用化に至った製品を紹介するトークセッション、及び36機関によるブース展示・ポスター展示を行った。
目的と具体的な内容
インクや紙オムツなど一部の日用品ではすでに実用化され、CNFの優れた特性を活かした製品の開発が加速している。今回のシンポジウムでは、「軽くて強いナノ材料 -シューズから自動車へ -」をテーマに本命として期待される工業素材として事業化に向けたCNF研究開発の現状と課題、最新の取組に焦点をあてて議論が行われた。
①企業間の共同研究で2018年6月に世界で初めてCNFを利用して商品化、発売されたランニングシューズ「GEL-KAYANO 25」の提案から商品化までを行った各社担当者によるトークセッション。
②NEDOプロジェクトからはCNF強化樹脂の最新の研究開発動向を発表。
③NCVプロジェクトは、2019年度中の完成を予定しているCNFで自動車の外板や骨格部材を実装した世界初のコンセプトカーの開発について最新状況を紹介。
④2017年度に発足した「新素材-CNFナショナルプラットフォーム事業」ではマッチング支援による新たな研究開発と技術移転を紹介。
また同時に、今回も36機関(企業/23、公設試/6、国研/2、その他/5)によるブース展示とポスター展示を行い、ビジネスマッチングの拡大を図った。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
セルロースナノファイバーの製造や利用に関わる最新の技術、事業化に向けた取り組み、政府の関連施策に興味を持つ幅広い分野から666名の参加者があった。その内の約7割は化学産業、電気・精密・機械産業、製紙産業、繊維産業、自動車産業、家電産業、住宅産業、等々、産業界からの参加であった。セルロースナノファイバーが次世代のバイオマス素材として、様々な分野から注目されていることがわかる。本研究集会は2004(平成16)年から毎年開催しており、ここ数年は600名を超える参加者があり、生存圏主催の行事として定着している。本研究集会は生存圏フラッグシップ共同研究の推進、さらにはバイオナノマテリアル関連のコミュニティ形成・発展に大きく貢献している。
プログラム
11:00–12:10 | ブース出展及びポスター展示(会場:西館2階テルサホールロビー、東館2階セミナー室) (11:00–12:10、14:55–16:15) |
11:30–12:30 | シンポジウム受付(受付:テルサホールロビー) |
12:30–12:35 | 開会挨拶 |
12:35–13:45 | シューズソールへのCNF利用を語る
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13:45–14:55 | NEDOリグノCNFプロジェクト
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14:55–16:15 | 休憩(ブース出展及びポスター展示) |
16:15–17:00 | 環境省ナノセルロースビークル(NCV)プロジェクト
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17:00–17:55 | 経済産業省「新素材-CNFナショナルプラットフォーム事業」の取り組み
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17:55–18:00 | 閉会挨拶 |
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2018年11月27日作成,2019年3月26日更新