Research Institute for Sustainable Humanosphere

第389回生存圏シンポジウム
木質材料実験棟H30年度共同利用研究発表会

開催日時 2019(平成31)年3月1日(金)10:00–17:15
開催場所 京都大学生存圏研究所 木質ホール3階
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 五十田博 (京都大学生存圏研究所生活圏構造機能分野)
関連ミッション ミッション4 循環材料・環境共生システム
ミッション5 高品位生存圏
関連分野 建築学、木質材料学、木材保存学、建築士、木造関連メーカー、林産、応用生命、炭素材料など。

概要

本報告会は木質材料実験棟の共同利用研究における研究成果を発表することで、それぞれの研究テーマにおける深化および、他分野からの刺激を受けること、そして、研究の進め方やグループ作りなどについての意見交換を行うことを目的として例年開催されるもので、本年度は2018(平成30)年度に実施された17件の木質材料実験棟全国共同利用研究の成果発表が行われた。

目的と具体的な内容

2018(平成30)年度に実施された17件の木質材料実験棟全国共同利用研究の成果発表会を実施した。17件の報告内容の内訳は、木質構造に関するもの9件、木材の耐久性・保存に関するもの1件、木材の物性・化学処理に関するもの2件、木材の教育利用に関するもの1件、炭素素材としての木質材料に関するもの4件である。木質材料実験棟が共同利用施設として解放している、鋼製反力枠、1000 kNアクチュエータ試験機、直パルス通電加熱装置およびSEM、ECO住などを活用した多彩な内容であった。一人当たり20分の持ち時間で発表が行われ、活発な議論が為された。これら多岐に渡る内容を、発表者がお互いに理解度を上げられるように工夫された説明がされており、大変面白い発表会となった。また、近年注目されているCLTに関する発表もあった。今後、さらなる分野間を超えた融合が起こることに期待したい。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

生存圏科学のうち、ミッション4「循環材料・環境共生システム」に関連する研究報告と、ミッション5-4「木づかいの科学による社会貢献」に関連する発表が為された。これらは高機能な炭素素材の開発と言った分子レベルの内容から、実大建築物での構造利用に関する応用的な内容まで多岐にわたった。再生産可能な生物資源である木質資源の有効活用は、「環境保全と調和した持続的社会の基盤となる先進的科学技術」を追求する生存圏科学と密接に関係する。今後これら生物資源がさらに様々な場面で活用される未来像に向けて、非常に有用な先進的な取り組みが報告されたと考える。

また、発表分野が幅広いことも本共同利用設備の特徴である。これら異分野の研究内容が一堂に会してディスカッションを行うことで、見方の異なった意見を得ることができ、相互に刺激があったと考える。報告会後の意見交換会でも多くの参加があり、さらに議論を深めることができた。

プログラム

10:00–10:05 開会挨拶
梅村研二(京都大学生存圏研究所)
司会:畑俊充(京都大学生存圏研究所)
10:05–10:25 トーンウッドとして利用される沈木の物性の測定
村田功二(京都大学大学院農学研究科森林科学専攻)
10:25–10:45 バイオマス由来多孔質炭素材料の作製
坪田敏樹(九州工業大学大学院工学研究院物質工学専攻)
10:45–11:05 木材用天然系接着剤を活用した林産教育のための木質材料の製造技術の開発
東原貴志(上越教育大学大学院学校教育研究科)
司会:北守顕久(京都大学生存圏研究所)
11:05–11:25 住宅床下における銅板等の劣化抑制効果の検証
栗﨑宏(富山県農林水産総合技術センター木材研究所)
11:25–11:45 既存木造住宅のフレームまたは小壁を用いた耐震補強手法の開発
森拓郎(広島大学大学院工学研究科)
11:45–12:05 国産広葉樹材を用いたEWの品質向上技術開発
村田功二(京都大学大学院農学研究科森林科学専攻)
12:05–13:30 昼食
司会:中島昌一(国立研究開発法人建築研究所構造研究グループ)
13:30–13:50 木材とコンクリートのハイブリッド床システムの開発
池田 将和(広島大学大学院工学研究科)
13:50–14:10 地震被害推定を目的とした木造建物群モデルの構築
汐満将史(山形大学工学部建築・デザイン学科)
14:10–14:30 京都府産木材の有効活用に関する研究
明石浩和(京都府農林水産技術センター)
14:30–14:50 湿度変動下における木材の緩和挙動
若島嘉朗(富山県農林水産総合技術センター)
司会:梅村研二(京都大学 生存圏研究所)
14:50–15:10 Fe含有木質炭素化物のCO2吸着量の向上
畑俊充(京都大学生存圏研究所)
15:10–15:30 木質-藻類バイオマスを利用した炭素材料開発
川島英久(筑波大学数理物質系)
15:30–15:50 電界紡糸によるナノ空間の創製と応用
押田京一(長野工業高等専門学校)
司会:森拓郎(広島大学大学院工学研究科)
15:50–16:10 枠組壁工法へのシアリンク式摩擦ダンパー適用に向けた研究
那須秀行(日本工業大学建築学部)
16:10–16:30 画像相間法を用いたCLT接合部破壊面近傍の応力度分布の可視化
中島昌一(国立研究開発法人建築研究所構造研究グループ)
16:30–16:50 木造住宅の地震時層崩壊を抑制する面材耐力壁の設置方法に関する研究
宮津裕次(東京理科大学理工学部建築学科)
16:50–17:10 高減衰ダンパーを組み込んだ木質ラーメンフレームに関する実験的研究
清水秀丸(椙山女学園大学)
17:10–17:15 総括
京都大学生存圏研究所木質材料実験棟共同利用委員長 五十田博(京都大学生存圏研究所)
17:20–19:20 意見交換会
木質ホール3階にて

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2018年11月2日作成,2019年3月6日更新

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