Research Institute for Sustainable Humanosphere

第287回生存圏シンポジウム
電波を用いた観測が切り拓く地球および惑星大気科学

開催日時 2015(平成27)年6月1日(月) 13:00–18:30
開催場所 奈良女子大学
主催者 野口克行(奈良女子大学)
申請代表者 野口克行(奈良女子大学)
所内担当者 津田敏隆(京都大学生存圏研究所大気圏精測診断分野)
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)
ミッション 3 (宇宙環境・利用)
関連分野 超高層物理学、気象学、惑星大気学、電波科学

目的と具体的な内容

電波を用いた大気観測手法は多岐に渡り、他の観測手法には無いユニークなデータセットを提供してきた。例えば、電波掩蔽観測と呼ばれる手法は、宇宙機から電波を送信し別の宇宙機や地上局で受信することで、電波の伝播経路上における大気数密度や気温・気圧、電子密度など大気の情報を精度よく得ることができる観測である。地球大気においてはGPS気象学という形で大きく発展し、また惑星探査においても惑星大気の鉛直熱構造や電離圏電子密度を得るために長年実施されてきた。近年では、解析手法の改良により従来では得られなかったような空間分解能や精度が達成されつつあり、また数値モデルへの同化においても重要な役割を担いつつある。

本研究集会では、電波科学の手法並びにその大気観測プロダクトに強い関心を持つ国内の大気研究者が集うと共に、欧州宇宙機関(ESA)の惑星探査機における電波科学の研究者を招聘し、地球及び惑星大気における電波科学の現状や将来の方向性などについて、専門性の高い議論を行なった。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

生存圏科学の発展

本研究集会は、生存圏のうちでも特に大気圏・宇宙圏の科学に焦点を当てている。これらの領域では直接観測が難しく遠隔観測が主な観測手段のひとつとなるため、本研究集会のテーマである電波観測はこの領域の科学を発展させる鍵となる。本研究集会において、日本及び欧州の研究者が専門性の高い議論を交わすとともに、それぞれの研究現状を理解し意見交換を行なうことで、生存圏科学の発展に寄与することができたと思われる。

関連コミュニティの形成への貢献

本研究集会においては、おのおのの参加研究者が独自の観測・解析手法およびその結果として得られた知見を発表し、論文や通常の大きな講演会からでは得られにくいような専門性の高い議論を深めることができた。また、欧州の惑星科学・電波科学研究者であるシルビア・テルーマン博士が地球電磁気・惑星圏学会(SGEPSS)の補助を受けて来日しており、この機会に合わせて本研究集会にも招聘し国際シンポジウムとしたことで、国内研究者、特に若手研究者が相互交流できる機会となった。国内における本研究分野の研究コミュニティの形成・強化と共に、今後の国際共同研究の開始と発展に向けて関係を深めることができたと考えられる。

特記事項

本シンポジウムのWebページ:
http://www.e.ics.nara-wu.ac.jp/lab/epas-lab/rss2015/

プログラム

13:00–13:30 小司禎教
GPSデータ同化による数時間先の予測改善/GPSから得られる水蒸気情報を数分先の豪雨の実況監視に利用する
13:30–13:50 瀬古弘
メソスケールLETKFシステムを用いた掩蔽データの同化実験
13:50–14:10 国井勝
2007年台風5号の予報に対するGPS掩蔽データ同化のインパクト
14:10–14:30 齊藤昭則
地上GNSS受信機網による電離圏メソスケール構造の観測
14:35–14:55 山本衛
ソフトウエア無線技術を用いた衛星-地上ビーコン観測
14:55–15:25 三浦保範
地球の物質(粘土・水蒸気)活動変化の観測(SMAP)について/炭酸ガス大気変化の新モデルとその基礎実験
15:25–15:55 シルビア テルーマン
Radio Sounding of planetary atmospheres
15:55–16:25 黒田剛史
木星成層圏大気力学の概要/GCMにより示唆される火星大気における重力波の重要性
16:25–16:45 佐川英夫
地上電波望遠鏡・干渉計による惑星大気観測
16:50–17:10 今村剛
日本における電波掩蔽観測のこれまでと「あかつき」への期待
17:10–17:30 津田敏隆
Application of GPS RO for studies of atmospheric waves
17:30–17:50 安藤紘基
Venus Express 電波掩蔽観測による金星下層大気構造の研究
17:50–18:10 宮本麻由
電波ホログラフィ法による金星大気の電波掩蔽データの解析
18:10–18:30 野口克行
電波掩蔽観測による火星大気主成分CO2の凝結に関する研究

Symposium-0287
ポスター PDF ファイル (324 298 バイト)
ポスター制作: 野口克行(奈良女子大学)

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2015年8月18日作成

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