Research Institute for Sustainable Humanosphere

第272回生存圏シンポジウム
木造建築の劣化診断技術を再考する
~リノベーションと耐震診断法の現状~

開催日時 2015/01/28(水) 14:00–17:30
開催場所 京都建築専門学校よしやまち町家校舎 (京都市上京区葭屋町)
主催者 京都大学生存圏研究所、伸木会
関連ミッション ミッション 4 (循環型資源・材料開発)
関連分野 建築学、木質材料学、木材保存学、建築士、木造関連メーカー。

目的と具体的な内容

環境負荷を低減し CO2 固定にも貢献するために、木造住宅を長期にわたって使用し続けることが重要視され、既存住宅を耐震補強しつつリノベーションして活用していくことが重要な課題となってきている。しかし、耐震補強を行う前に必要となる耐震診断において、部材の劣化診断や接合部の残存強度性能については、定量的に評価できていない現状がある。そのため、実際の京町家などを含む木造住宅のリノベーションの現場では、接合強度を過大に評価したり、取り替える必要のない材料を取り替えたりということが起こっており、より正確な診断技術の構築が望まれている。

そこで本研究集会では、これら問題点の洗い出しを行うために、耐震診断及び耐震補強の現状として、青木先生に「耐震診断法における劣化の評価について」、また劣化を受けた木材や接合部の耐力評価の現状についてとして、森が「木質構造に用いる部材および接合部の生物劣化と強度の関係」を講演し、その後実際のリノベーションを行っている設計士の感じる問題点や現状について、南氏「リノベーションの実例 1 京都大学吉田泉殿など」、佐野氏「リノベーションの実例 2 よしやまち町家校舎の改修工事を例として」と題して、講演をしてもらった。そして、演者をパネラーとしたパネルディスカッションを行って解消すべき課題を見いだすと共に、今後、どのような値が設計に必要か、どのような部分を劣化部位として気にしたらよいかなどについてディスカッションを行った。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

木造住宅を長期にわたって使用し続けることで、環境負荷を低減し CO2 固定にも貢献できる。また、既存住宅を耐震補強しつつリノベーションして活用していくことが重要な課題であり、本課題をターゲットとしていることから、住宅メーカーだけでなく、設計士、木材諸産業、そして、木材学、木質構造学、木材保存学など様々な分野の融合が必要な分野であり、これらコミュニティのつながりが弱いことから、そのネットワークの構築に貢献できたものと考える。本課題への検討は、木質材料の効率的な利用、木質構造の長期な使用を通して低環境負荷を実現し、生存圏研究のミッション 4 「循環型資源・材料開発」を推進するものである。加えて、森林の健全化への後押しになると考え、地球再生へつながると考える。

特記事項

見学会終了後、検討会を実施した。また、次の日に、一部メンバーで、報告書作成および総括の作業を実施した。

プログラム

14:00 開会のあいさつ
森拓郎 (京都大学生存圏研究所)
14:05 耐震診断法における劣化の評価について
青木謙治 (東京大学大学院農学研究科)
14:45 木質構造に用いる部材の生物劣化と強度の関係
森拓郎 (京都大学生存圏研究所)
 
15:25 休憩
 
15:45 リノベーションの実例1
南宗和 (京都大学生存圏研究所・里仁舎)
16:25 リノベーションの実例2
よしやまち町家校舎の改修工事を例として
佐野春仁 (京都建築専門学校)
17:05 ディスカッション
司会: 田中圭 (大分大学工学部)
17:30 閉会のあいさつ
青木謙治 (東京大学大学院農学研究科)
 
見学会 (よしや町家校舎)

 

Symposium-0272   ポスター PDF ファイル (163 500 バイト)
ポスター制作: 森拓郎 (京都大学生存圏研究所)

 

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