Research Institute for Sustainable Humanosphere

第256回生存圏シンポジウム
ジオスペースダイナミクスに関するシンポジウム
Symposium on the Geospace dynamics

開催日時 2014/03/25(火) 10:30–17:00
開催場所 宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所
主催者 京都大学生存圏研究所 小嶋浩嗣
申請代表者 小嶋浩嗣 (京都大学生存圏研究所宇宙圏航行システム工学分野)
関連ミッション ミッション 3 (宇宙環境・利用)
関連分野 科学衛星観測、宇宙科学、計算機シミュレーション。

共同開催: 名古屋大学太陽地球環境研究所STEL研究集会「内部磁気圏研究会」

目的と具体的な内容

地球周辺に存在する放射線帯は人類が宇宙に進出する際に必ず通過しなければならない領域であると同時に、その外縁部は静止衛星軌道にかかっており、宇宙利用においても、その変動からうける影響は大きい。この放射線帯、特にその外帯と呼ばれる高エネルギー電子が存在する領域は時間的に大きく変動しており、その高エネルギー電子の増減メカニズムの解明は重要課題として内外の研究者によって研究がすすめられている。この放射線帯を直接、衛星で観測する我が国のミッションが ERG 計画である。米国も同様にこの領域に Van Allen probe という衛星を投入している。本シンポジウムでは、この先行して観測を行っている Van Allen probe についての情報を収集し、それを踏まえて、ERG 衛星における観測 Strategy に反映することを目的としている。シンポジウムでは、Van Allen Probe がこれまでに示してきた観測結果と、放射線帯で解明すべき物理プロセスについての課題を比較し、どこまでが明らかになりつつあるかをレビューしたのち、ERG 衛星がもつ波動粒子相互作用解析に関する強みをどのように発揮していくか、について議論を行った。特にホイッスラー波と電子、EMIC 波と電子との相互作用について重要であり、それを明らかにするために、どのような運用方針でいくべきかについて話し合った。一方、ERG 衛星はそのミッションとして、地上観測、計算機シミュレーションとの連携も密接に計画されており、その 3 者における準備状況に関する情報交換も行われた。また、ERG 衛星との conjunction を狙いパルセーティングオーロラの観測を行うロケット実験計画についても議論を行った。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

上述のように、地球の放射線帯の物理は、現在、非常に hot なトピックであり、その理由は、人類が宇宙圏を利用、進出する際に、その理解が非常に重要となるからである。その理解を行う上で、実際に宇宙空間において、その場観測を行い、また、その結果と地上からみえるオーロラなどとの現象とのリンクは、地球両極上空に供給されるエネルギーの理解も重要である。また、ハードウェアの急速な進歩によって従来よりもはるかに realistic なモデル計算ができるようになった計算機シミュレーションによる理論的な理解、モデル化は、宇宙圏においてダイナミックに変動するこの放射線帯を理解しその変動を予測する上で、生存圏としての宇宙圏の利用として重要な情報をもたらしてくれる。このように放射線帯の物理は生存圏の科学に直結しており、それを探索し、解明しようとしている我が国の ERG 計画は重要な位置をしめている。本シンポジウムは、この ERG 計画を戦略的に進める上で重要な役割を果たした。ERG 衛星は打ち上げが 2015 年末であり、残すところ 1 年半である。その打ち上げ後の、観測モード・データ取得とその解析の論点については、今後も繰り返し議論されていくことになる。一方で、Van Allen probe のデータは引き続き供給される上、また、ERG衛星の打ち上げ後は共同観測の道も開かれている。

放射線帯のダイナミックな変動は、地球の磁気圏活動度に依存しており、また、その磁気圏活動度は太陽の活動と密接に関連している。この一連の現象を予測し、地上あるいは宇宙にいる人類への影響を予測するのが宇宙天気である。本シンポジウムはこの宇宙天気の研究コミュニティへも重要な役割を果たしている。

プログラム

10:30 連絡事項等
10:40–11:40 ERG衛星開発進捗・今後の予定について
高島 (JAXA)、浅村 (JAXA)、三好 (名大・STE研)
11:40–12:00 連携地上観測班報告
塩川 (名大・STE研)
 
12:00–13:00 休憩
 
13:00–13:20 Van Allen probeレビューとモデリング班報告
関 (名大・STE研)
13:20–13:40 サイエンスセンター報告
三好 (名大・STE研)
13:40–14:00 PWE/HFAによるプラズマ圏電子密度観測
熊本 (東北大)
14:00–14:30 ERG衛星科学データ(Lv2)内容検討報告
堀 (ERGサイエンスセンター)
14:30–15:00 統合解析ツールのデモ
ERGサイエンスセンター
 
15:00–15:20 休憩
 
15:20–15:35 ERG-SuperDARNタスクチーム報告
堀 (ERGサイエンスセンター)
15:35–15:50 ERG-S520ロケット実験紹介
細川 (電通大)
15:50–16:30 総合討論

 

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