Research Institute for Sustainable Humanosphere

第241回生存圏シンポジウム
太陽地球惑星系科学(STP)シミュレーション・モデリング技法勉強会 & STEシミュレーション研究会合同研究集会 —宇宙プラズマ・大気・天体—

開催日時 2013/12/24(火) - 2013/12/27(金)
開催場所 九州大学情報基盤研究開発センター
主催者 地球電磁気地球惑星圏学会・太陽地球惑星系科学シミュレーション分科会
申請代表者 寺田直樹 (東北大学大学院理学研究科)
所内担当者 大村善治 (京都大学生存圏研究所生存科学計算機実験分野)
関連ミッション ミッション 3 (宇宙環境・利用)
関連分野 宇宙科学、宇宙プラズマ物理学。

http://center.stelab.nagoya-u.ac.jp/simulation/meeting2013/

目的と具体的な内容

本シンポジウムでは、生存圏を構成する宇宙圏や大気圏における数値シミュレーション・モデリングの「技法」について議論を行う。宇宙圏や大気圏は様々な領域や物理過程が様々な時空間スケールで競合的に結合したシステムであり、これを総合的に理解するために数値シミュレーション・モデリングは大きな役割を果たしてきている。ジオスペースストームのように多圏間結合・階層間結合が強く発露する宇宙圏・大気圏現象を理解するためには、多様な物理・光化学過程を記述する計算スキームの確立に加えて、系を包括的に記述する統合型シミュレータ実現のための方法論の確立が必要である。宇宙圏・大気圏分野におけるシミュレーション・モデリング技術は発展を続けているが、多様な時空間スケールを含む電磁気現象・大気圏現象のシミュレーション・モデリングに特有の技法に焦点を置いたシンポジウムはあまり開催されていない。そこで本シンポジウムでは、サイエンスの結果に重点を置いた他の研究集会とは異なり、最新の宇宙圏・大気圏シミュレーション・モデリングの「技法」に焦点を絞った議論を行い、宇宙圏・大気圏分野におけるシミュレーション・モデリング技法の向上を目的とする。今回のシンポジウムでは、宇宙圏・大気圏分野のみならず天文分野の研究者にも参加していただき、特に磁気流体力学コードの高次精度化とその応用について集中的に議論を行う。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

生存圏を構成する宇宙圏や大気圏における諸現象の研究において、数値シミュレーションやモデリングは欠かせないツールとなりつつある。本シンポジウムでは、宇宙圏・大気圏分野のみならず、天文分野の研究者も参加し、宇宙プラズマ・大気・天体に関する数値シミュレーションとモデリングの最新の計算技法及び研究成果について計 28 件の講演が行われた。招待講演には 60 分、一般講演には 30 分の講演時間を割り当て、異なるバックグランドを持つ研究者同士が十分に質疑応答を行えるよう、質疑応答時間を多めに確保するよう心掛けた。本シンポジウムでは、特に磁気流体力学コードにおける WENO (Weighted Essentially Non-Oscillatory)法や MP (Monotonicity Preserving)法や体積粘性率を考慮した手法などを用いた高次精度化とその応用について集中的に議論が行われ、最新知見の多角的側面からの理解が深まった。また他にも放射過程解法、中性流体を含む流体系システム方程式の高精度数値解法、電磁ハイブリッドシミュレーションの安定化手法、ブラソフシミュレーション手法、および近年のクラスター型超並列スーパーコンピュータにおけるチューニング手法などのノウハウの共有が行われ、宇宙圏・大気圏・天文分野のシミュレーション・モデリング技術の向上、ひいては生存圏科学の発展への貢献が達成された。また、これらのコミュニティにおける数値シミュレーション・モデリング研究の発展は、京都大学生存圏研究所の電波科学計算機実験装置(KDK)を用いた共同利用研究の促進へと繋がるものと期待できる。

プログラム

12月24日 (座長: 深沢圭一郎)

13:00–14:00 招待講演
特殊相対論的抵抗性輻射磁気流体コード開発
高橋博之
14:00–14:30 ブラックホール高光度降着流の輻射流体シミュレーションとスペクトル計算
川島朋尚,大須賀健,嶺重慎,松元亮治
14:45–15:15 局所および大局的シミュレーションから探る太陽ダイナモ機構
政田洋平
15:15–15:45 冷却過程を考慮したジェットと星間ガス相互作用シミュレーション
朝比奈雄太,小川崇之,松元亮治
15:45–16:15 イオンスケールミニ磁気圏の3次元ハイブリッドシミュレーション
中村雅夫
16:30–17:30 招待講演
降着円盤のグローバルMHDシミュレーション
町田真美,中村賢仁,松元亮治
17:30–18:00 非熱的粒子によって駆動される磁気浮力不安定性
工藤祐己,松元亮治

 

12月25日 (座長: 松本洋介)

10:00–11:00 招待講演
原始惑星円盤形成のMHDシミュレーション
町田正博,松本倫明
11:00–11:30 磁気リコネクションのセパラトリクス領域におけるプラズマ波動と粒子加速
藤本桂三
11:30–12:00 地球磁気圏近尾部領域におけるプラズマ渦と磁気リコネクションの関係: 磁気流体シミュレーションと衛星観測の比較
近藤光志
13:30–15:30 Xeon Phi講習会
黒澤一平 (エクセルソフト)、中山雅照 (日立製作所)
16:00–17:00 招待講演
ジャイロ運動論コード AstroGK を用いた位相空間乱流のシミュレーション
龍野智哉
17:00–17:30 3D Parallel Full Electromagnetic Particle-In-Cell Simulation of Relativistic Jets
Kazem Ardaneh, Dongsheng Cai
17:30–18:00 ケルビン-ヘルムホルツ不安定性の非線形発展に対するイオンジャイロ運動の効果
上野悟志,梅田隆行,中村琢磨,町田忍

 

12月26日 (座長: 梅田隆行)

10:00–10:30 磁場中の2つのプラズマの相互作用による衝撃波の形成過程
樋田美栄子
10:30–11:00 体積粘性率を陽に考量した衝撃波の数値シミュレーション
花輪知幸
11:00–12:00 招待講演
高次精度MHDスキームレビュー
三好隆博
13:30–15:30 GPGPU講習会
森野慎也 (NVIDIA)
16:00–17:00 招待講演
WENO法を用いたMHDコードの高次精度化
簑島敬,松本洋介
17:00–17:30 MP5法を用いたMHDコードの高次精度化
松本洋介,小川崇之,朝比奈雄太,工藤祐己,川島朋尚,松元亮治
17:30–18:00 セミディスクリート中心スキームを用いたMHDおよびnon-MHDシミュレーション
寺田直樹

 

12月27日 (座長: 寺田直樹)

10:00–10:30 A time-dependent three-dimensional MHD simulation of inner heliosphere with time-dependent boundary conditions inferred from IPS solar wind data over 11-year solar cycle
林啓志,徳丸宗利
10:30–11:00 膨張箱モデルを用いた太陽風アルヴェン乱流の数値シミュレーション
成行泰裕,羽田亨,坪内健
11:00–11:30 有限振幅whistler波動の非線形発展によるプラズマ加熱について
齊藤慎司,成行泰裕,梅田隆行
11:30–12:00 Generation of broadband EMIC emissions through nonlinear processes in the inner magnetosphere
小路真史,大村善治
13:30–14:00 電力制御下におけるMHDコードの挙動について
深沢圭一郎
14:00–14:30 ハイブリッドシミュレーションの安定化手法の開発
天野孝伸,東森一晃,白川慶介
14:30–15:00 京、FX10及びCX400におけるブラソフコードの性能チューニング
梅田隆行,深沢圭一郎

 

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