Research Institute for Sustainable Humanosphere

第225回生存圏シンポジウム
衛星測位データの有効活用に関する検討ワークショップ

開催日時 2013/02/21(木) 13:00–17:25
開催場所 京都大学東京オフィス 第1会議室
主催者 佐藤一敏 (京都大学学際融合教育研究推進センター)
申請代表者 佐藤一敏 (京都大学学際融合教育研究推進センター)
所内担当者 矢吹正教 (京都大学生存圏研究所大気圏精測診断分野)
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)
関連分野 気象学、太陽地球系電磁気学。

目的と具体的な内容

現在測位に用いられている衛星観測データを他の分野にも応用し、熱帯地域での気象予報モデル向上などに役立てるため、多方面の衛星測位観測に関する専門家を招集し、意見交換をしながら問題点を明らかにして、よりよい観測・解析体制を構築することを目的とする。

学際融合分野の角度の違った意見を集約することにより、効率的な観測・データ流通・解析体制が構築できると思われる。またこの枠組みを通して、生存圏ミッションに対する学際的な貢献として「環境計測・地球再生」に関する新たな連携研究課題の創出及び成果を挙げることが期待できる。

2011(平成23)年度に本ワークショップの 1 回目を開催し、電離圏物理・気象学分野の 10 名の方々にご講演をいただき、相互理解を深める機会を得た。同じ地域のデータを用いてはいるものの、それぞれ独自の観測網で展開されている解析結果もあり、これらのデータを相互流通させたり、新たな実用化への展開を模索したりすることによって、新たな学際分野・産学連携分野の課題を創出することが期待される。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

第 2 回目となる今回のワークショップにおいては、第 1 回の反省点を踏まえタイトルから「熱帯地域での」という制限を外すことによって、13 名の方々に講演をお願いすることとなった。現在の日本の準天頂衛星の運用状況を含めたマルチ GNSS 社会の未来への発展、地上型及び宇宙型 GNSS 気象学の最新の研究成果、GNSS を用いた宇宙天気の解明の事例などを紹介いただき、ワークショップ参加者間で情報を共有することができた。今回は東京で開催したこともあり、前回に比べて外部からの参加者が増え、より活発な議論をすることができた。日本のように GPS 連続観測網のインフラが整備され誰でも自由に使える環境とは違い、東南アジアなどの熱帯地域では各機関が独自に持ち込んだあるいは構築したデータが多く、自由に使える観測データの数は限られている。今回の発表においては、海外においては生データを研究目的でも持ち出すことが難しい地域においては、現地研究機関と協力して新たなデータフォーマットに変換してから持ち出すことも行われている事例や JAXA も独自に国際貢献をかねてモニタリング局をアジア・オセアニア地域に展開している事例が紹介された。今後の観測網の展開や現地研究機関との協力を通じて、自由に使える観測データの確保とその成果の現地への社会還元ができるグループづくりを、このシンポジウムのメンバーを核として継続実施していきたいと考えている。また、このワークショップは今後も年 1 回定例的に実施して、異分野の方々の意見を聞き、最新の成果・状況を情報交換できる場として続けていきたいと考えている。

プログラム

13:00–13:05 佐藤一敏
オープニング・趣旨説明
13:05–13:23 館下博昭 (JAXA)
複数GNSS観測ネットワークおよび複数GNSS対応高精度軌道時刻推定ツール(MADOCA)の整備状況について
13:23–13:41 Eugenio Realini, Toshitaka Tsuda, Kazutoshi Sato, Masanori Oigawa, Yuya Iwaki(RISH, Kyoto Univ.), Yoshinori Shoji, Hiromu Seko, Takuya Kawabata(MRI-JMA)
Precipitable water vapor retrieval using QZSS
13:41–13:59 岩城悠也・津田敏隆・佐藤一敏・Eugenio Realini・大井川正憲 (京大RISH)
稠密GPS受信ネットワークによる集中豪雨監視システムの電離層補正に関する基礎研究
13:59–14:17 大井川正憲・津田敏隆 (京大RISH),瀬古弘・川畑拓矢 (気象研究所)
非静力学モデルを用いた集中豪雨時のGPS可降水量変動特性に関する研究
14:17–14:35 佐藤一敏 (京大学際融合),津田敏隆 (京大RISH),Susilo (インドネシア測量地図庁),Timbul Manik (インドネシア航空宇宙庁)
インドネシアのGPS観測網を利用した可降水量精度検証実験
14:35–14:53 藤田実季子 (JAMSTEC),岩淵哲也・Christian Rocken(GPS Solutions, Inc.)
可降水量データセット(GRASP)の紹介とアジア域の可降水量変動
14:53–15:11 岩淵哲也 (GPS Solutions, Inc.)
マルチGNSSリアルタイム解析による地球環境の連続監視
 
15:11–15:30
 
15:30–15:48 小司禎教 (気象研究所)
GPSによる水蒸気非一様性の解析
15:48–16:06 瀬古弘 (気象研究所)
ドップラーレーダの位相情報を用いた水蒸気推定
16:06–16:24 大和田浩美・吉本浩一 (気象庁数値予報課)
気象庁全球解析におけるGNSS掩蔽観測データの利用
16:24–16:42 斎藤享・吉原貴之・星野尾一朗 (ENRI)
電子航法研究所におけるGNSS電離圏観測と国際民間航空機関(ICAO)における電離圏データの収集・共有活動について
16:42–17:00 大松直貴・大塚雄一・塩川和夫 (名大STE研),斎藤享 (ENRI)
GPSを用いた電離圏擾乱の観測及び航空航法支援システムに対する影響評価
17:00–17:18 津川卓也・西岡未知 (NICT),斎藤昭則 (京大理),大塚雄一 (名大STE研),斎藤享 (ENRI)
Dense Regional and Worldwide International GNSS-TEC observation (DRAWING-TEC) project
17:18–17:25 津田敏隆
クロージング

 

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