Research Institute for Sustainable Humanosphere

第189回生存圏シンポジウム
木質構造に関する最新研究成果発表・討論会 Part2

開催日時 2011/10/29(土) 10:00–17:00
開催場所 大分文化会館 第2会議室 (大分市荷揚町4-1)
主催者 京都大学生存圏研究所、伸木会 (木質構造のこれからを考える若手の会)
申請代表者 森拓郎 (京都大学生存圏研究所生活圏構造機能分野)
関連ミッション ミッション 4 (循環型資源・材料開発)
関連分野 建築、木質材料、木材、住宅、設計事務所。

共催: 大分県木造建築研究会

目的と具体的な内容

昨年度に引き続き、木質材料・木質構造の開発・研究に従事している若手・中堅の研究者及び技術者を中心として、木質構造の種々の性能を読み解くために必要と考えられる最新の研究の成果発表と参加者全員による討論を行い、その議論により、更なる研究の高度化と今後の課題の発掘を目指すことを目的とする。

本シンポジウムでは、3 名の演者を迎えて、第一演者の井上先生(大分大)には若手・中堅の開発者や研究者に対して研究や開発、教育のあり方や新しい研究・開発への取り組み方などについて講演をいただき、今後の研究者としてのスタンスについて学んだ。また、午後の 2 件の講演では、最新の研究について講演をいただき、討論を行った。一つ目は、現在取りざたされている伝統的木造建築物の設計法についての話であり、どのようにして安全で簡易な設計法を作るかについて検討してきていることを解説し、今後の展開について特に耐震補強についての問題点や劣化評価などについて大いに議論をした。今後、設計とどうつなげていくか、既存の建物をどのように評価するかなどについても議論した。二つ目は、釘接合部についての研究の変遷について、加えて基準法にかかわる部分などについて解説し、木造の中で重要な接合具である釘については、釘のもっと基礎的な研究や動的挙動に関する研究、また容易な設計などに供するような資料を作っていくべきではないかと言う議論をした。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

生存圏科学のうち、循環材料や、その利用に関する項目に当たる木質材料・木質構造についての若手や中堅が主催したシンポジウムを行った。サステーナビリティーが注目されている昨今、木材利用に関する検討は重要であり、それらのコミュニティ形成に貢献していると考えている。

次代を担う研究者と学生が、約 4 時間にわたって議論をし、研究や開発に従事している者にとっては、新しい研究課題への進展や考え方を得る機会となった。普段京都や東京で行っていたものを本経費を用いることで大分で行えたため、地方大学にもこのような活動を根付かせる最初の一歩となったと考える。また、多くの学生が参加しており、学生にとっては研究や議論の進め方などについて多くを学ぶ機会になったと考える。

この様なシンポジウムは、関連コミュニティが発展していくために必要な土台作りになると考える。産は少なかったが、来られた方々からは実務に近い意見などもあり、地方の人との交流・コミュニティの形成に貢献できたと考える。学生からは意見を伺えなかったが、研究の最前線を見ることで学生の教育にも大きく貢献できたと考える。

加えて、今後の研究のシーズやニーズについて企業と学際機関の壁を越えて様々な議論が行われ、設計などを意識した実務に活かせる研究の重要性についても議論でき、これからの分野・所属・地域を超えた新しい共同研究プロジェクトなどの発展が期待できた。

プログラム

10:00–10:05 開会挨拶: 森拓郎 (京大生存研)
 
   司会: 森拓郎 (京大生存研)
10:05–11:30 「わたしの研究者人生 —研究と教育は表裏一体—」
井上正文 (大分大学工学部教授)
11:30–12:00 磯崎新ミュージアム見学
 
12:00–13:00 昼食
 
   司会: 田中圭 (大分大学工学部)
13:00–14:30 「伝統的木造建築物の設計法構築に関する取り組み」
須田達 (立命館大学グローバル・イノベーション研究機構特別招聘准教授)
14:30–16:00 「釘接合部に関する研究 —変遷と近年の傾向—」
澤田圭 (北海道大学大学院農学研究院助教)
16:00–16:30 総合討論会 (コーディネータ: 森拓郎)
16:30–16:40 閉会挨拶: 青木謙治 (森林総合研究所)

 

Symposium-0189   ポスター PDF ファイル (5 291 594 バイト)
ポスター制作: 田中圭 (大分大学工学部)

 

一つ前のページへもどる