Research Institute for Sustainable Humanosphere

第181回生存圏シンポジウム
MESSENGER-BepiColombo共同ワークショップ
(水星探査に関する共同ワークショップ)

開催日時 2011/09/05(月) 9:20~ - 2011/09/06(火) ~16:00
開催場所 京都大学芝蘭会館 稲盛ホール
主催者 京都大学生存圏研究所、JAXA、NASA、ESA
申請代表者 小嶋浩嗣 (京都大学生存圏研究所宇宙圏航行システム工学分野)
関連ミッション ミッション 3 (宇宙環境・利用)
関連分野 宇宙圏科学。

MESSENGER-BepiColombo Joint Workshop

目的と具体的な内容

「水星」は、これまで米国の Mariner10 がフライバイによる探査を 1970 年代に行い、磁場等の観測や惑星表面の一部の写真を撮影したのみでその後詳細な探査は行われないままであった。近年になって米国の MESSENGER 計画、日欧による BepiColombo 計画という二つに水星探査ミッションが立案され、両者ともにその計画が進行中である。特に米国の MESSENGER は、BepiColombo に先駆けて打ち上げられ、2011 年 3 月 18 日に水星の周回軌道に無事に投入され、その定常観測に移っている。搭載機器やサイエンス目的の中には、MESSENGER、BepiColombo は相補的な観測を行う部分もあるが、BepiColombo にとっては、先行した MESSNGER の観測結果は、その観測strategyを立てる上で非常に重要である。ワークショップでは、MESSENGER の軌道投入結果と status の報告の後、水星軌道上からの最新観測データについて報告があった。報告は、水星表面の固体惑星物理から磁気圏物理にまで及び、水星の磁軸が、北極側に偏って存在している、ナトリウム大気が朝夕で非対称性をもっている、などという新事実などが報告された。

また、BepiColombo の研究者も含めて充実した討論が行われ、最後に今後の MESSENGER-BepiColombo の collaboration に関する集中討議を行った後、成功裏に閉会した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

水星のおかれている太陽風下での環境は、比較的月とよく似ている。大気がない点、磁場がない、あるいは、あっても弱い点である。月の局所磁場(磁気異常)は水星のもつ大規模な弱い磁場構造とはまた異なるが、一方で水星ではその分、太陽風動圧が大きいため環境的には月と比較すべき点がある。もちろん、月が通過していく地球の磁気圏も比較対象である。それは、MESSENGER の観測によりはっきりと認識されたように水星にも磁気圏が存在しているからである。一方で、水星磁気圏内部にはナトリウムイオンが多く存在しており、その朝夜非対称性についても今回 MESSENGER 衛星により報告されている。このように地球や月と比較することにより宇宙空間における電磁環境の物理の理解が進むが、それは月、という人間がまず向かうであろう宇宙圏における生活圏の確立場所の環境とそのダイナミックな変化を理解していく上で非常に重要なことである。その意味で、今回生存圏研究所が、この MESSENGER-BepiColombo 共同ワークショップを主催した意義は大きく、宇宙研究機関のみで開催したワークショップでは出てこない異なる方向性を示唆しているものである。

一方で今回、このワークショップでは予想以上に外国からの出席者が多く、また、最後の MESSENGER-BepiColombo の共同研究の進め方に関する討論では時間をオーバーした熱心な議論が交わされた。この意味でも水星を巡る世界的なコミュニティが形成していくその一助に本ワークショップはなっている。

プログラム

5 Sep Monday

9:20 Opening remarks
9:30 Sean Solomon,
MESSENGER’s primary orbital mission: Goals and progress
10:15 Shigeru Ida,
Mercury in the context of planetary system formation
10:50 Break
11:10 Mark Perry,
MLA and radio science results on Mercury’s shape, topography, and gravity
11:55 Brett Denevi,
The geology of Mercury from MDIS globa mosaics and targeted higher solution imaging
12:40 Lunch break
14:10 Futoshi Takahashi,
Mercury’s internal magnetic field as a challenge of dynamo
 theory
14:45 Haje Korth,
Mercury’s magnetic field, magnetospheric structure, and plasma properties
15:30 Break
15:50 Ralph McNutt,
Energetic particle observations at Mercury
16:35 Richard Starr,
XRS and GRS results on Mercury’s surface composition
17:20 Evening Garden party (Kodaiji Temple)

 

6 Sep Tuesday

9:30 Dave Blewett,
Surface color and spectral variations on Mercury
10:15 Joern Helbert,
The elusive surface mineralogy of Mercury —New perspectives from high temperature laboratory measurements and a preview of BepiColombo’s contribution
10:50 Break
11:10 Bill McClintock,
Mercury’s exosphere: The view from orbit
11:55 Yasuhito Sekine,
The role of hypervelocity impacts in the formation and evolution of the Saturnian satellites
12:30 Lunch break
14:00 Shun-ichi Kamata,
The thermal evolution of the lunar farside inferred from Kaguya gravity and topography measurements
14:25 Questions and discussion

  • Questions and discussion on the MESSENGER results
  • Discussion on common issues between Kaguya and MESSENGER
  • How will new information be refelected in the BepiColombo planning?
16:00 Closing remarks
End of workshop

 

Symposium-0181   ポスター PDF ファイル (2 405 417 バイト,トンボ付き)

 

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