Research Institute for Sustainable Humanosphere

第160回生存圏シンポジウム
第3回宇宙環境・利用シンポジウム
「太陽活動と地球・惑星大気」

開催日時 2010/12/20(月) 10:30–17:00
開催場所 京都大学宇治おうばくプラザ セミナー室4, 5
主催者 京都大学生存圏研究所、宇宙総合学研究ユニット
申請代表者 山川宏(京都大学生存圏研究所宇宙圏航行システム工学分野)
関連ミッション ミッション 3 (宇宙環境・利用)
関連分野 太陽物理学、天文学、地球物理学。

目的と具体的な内容

太陽表面では磁気プラズマ活動現象が絶えず起きている。最大の爆発現象であるフレアは地球環境への影響も無視できず、地球の気候変動との関係も活発に議論されてきた。銀河系には典型的な恒星である太陽の他にも磁気プラズマ現象を示す恒星は数多くあり、特に太陽フレアに比べ 1 万–100 万倍というとてつもないエネルギーを解放するフレア(スーパーフレア)も観測されている。そのようなスーパーフレアが太陽で発生した場合、地球・惑星の大気や生物への影響は甚大なものになると考えられる。本研究会では、このようなスーパーフレアの地球、惑星への影響をテーマにし、研究成果発表よりも今後の研究を始めるきっかけとなるための議論を中心とする情報交換を行う場とした。

具体的には以下の内容について議論した。

  1. スーパーフレアの概要
  2. 地球大気へのフレアの影響のモデリング
  3. 太陽紫外線変動と磁気圏、高層大気変動の関係
  4. 宇宙線と地球気候の関連
  5. 太陽活動と海洋の関連

 

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

巨大な太陽フレアが発生すると地球環境周辺にもさまざまな影響が及ぶことが知られており、超高層大気や海洋など、生存圏科学への太陽フレアの影響はこれまでにも盛んに議論されている。想定しているスーパーフレアは、観測史上最大規模の約 1 万–100 万倍というものである。この場合、磁気圏の縮小や気温の上昇、オゾン層の破壊など、想定以上の環境変化が考えられる。このようなスーパーフレアがこれから直ちに(近年中に)起こる危険性がある訳ではない。しかし、過去数 10 億年の地球の歴史の中で起きた大量絶滅期にも、(太陽での)スーパーフレアに起因する可能性が考えられるものもある。

本シンポジウムでは、まず(他の恒星での)スーパーフレア観測のレビューが京大の柴田教授から行われ、その後スーパーフレアが地球大気に与える影響を数値モデリングした結果の例が学外の専門家より示された。数値モデルは、スーパーフレアの際の対流圏の温度上昇の解明が主眼であったが、成層圏・電離圏への影響、磁気圏の縮小など今後解明すべき問題点が指摘され、新たに研究が進むと期待される。

また同時に、(従来の)太陽フレアに対する地球(大気など)の応答についても、議論が進んだ。特に海洋の太陽活動に対する応答など、新しい話題も提供された。

プログラム

10:30–11:00 柴田一成 (京大・理)
スーパーフレアについて
11:00–11:40 品川裕之 (NiCT)
スーパーフレアの地球超高層大気環境への影響
11:40–12:00 山敷庸亮 (京大・防災研)
太陽活動と海洋
12:00–13:30 昼食
13:30–14:00 三好勉信 (九州大)
スーパーフレアーの地球下層・中層大気への影響
14:00–14:20 横山正樹 (和歌山大)
太陽EUV irradianceデータの活用に向けて
14:20–14:50 宮原ひろ子 (東大)
太陽活動・宇宙線・地球環境
14:50–15:30 議論
15:30–15:50 林寛生 (京大・生存研)
太陽活動と高層大気の長期変化(地球側)
15:50–16:10 磯部洋明 (京大・宇宙ユニット)
太陽活動と高層大気の長期変化(太陽側)

 

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