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第150回生存圏シンポジウム
第1回 生存圏フラッグシップシンポジウム
環境を考慮したバイオマス資源の確保戦略

更新日: 2015/05/22

開催日時 2010/05/25(火曜日) 13:00–18:00
開催場所 京都大学生存圏研究所 木質ホール3階
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 梅澤俊明 (京都大学生存圏研究所森林代謝機能化学分野)
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)
ミッション 2 (太陽エネルギー変換・利用)
ミッション 4 (循環型資源・材料開発)
関連分野 生存圏フラッグシッププロジェクト(熱帯人工林の持続的生産利用に関する多角総合的共同研究)に関連する全分野。

目的と具体的な内容

化石資源に代わり、再生可能資源に対する依存度を上昇させることへの必然性は、既に世界的共通認識となっている。再生可能資源のうちで、エネルギー供給に加え、炭素系工業原材料の供給が可能な植物バイオマス資源はとりわけ重要であり、その資源育成と有効利用システムの確立が、世界的に強く求められている。ここで、世界のバイオマス蓄積の 9 割は樹木(リグノセルロース)に由来しており、産業造林(特に熱帯産業造林)の持続的維持管理とそこで得られる森林バイオマスの効率的利用が、再生可能資源依存型社会において極めて重要である。すなわち、森林バイオマス資源の持続的生産システム構築と、森林バイオマス資源からの画期的な技術革新に基づく高付加価値工業原材料生産やエネルギー生産システムの確立に関する研究拠点の形成が、今後我が国が生き残っていくうえで必須と考えられる。これらの研究開発においては、農・理・工・薬等の理科系諸分野と地域研究等の文科系諸分野における、それぞれの基礎・応用研究領域における個々の研究の深化・技術革新と、領域の垣根を越えた有機的な研究の連携推進が必須である。

以上に鑑み、森林バイオマス資源の持続的生産システム構築と、森林バイオマス資源からの画期的な技術革新に基づく高付加価値工業原材料生産やエネルギー生産システムの確立向けた個々の研究の進化と、関連分野の連携融合についての議論を深めることを目的として、本シンポジウムを開催した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

地球環境への取り組みは、今後の企業活動のなかで大きな比重を占めると考えられる。特に海外の植物バイオマス資源に依存するわが国においては、資源生産国との関係を含めて、技術的貢献が強く求められている。本シンポジウムにおける討議の結果、工業原材料資源として使われている植物バイオマスに関して、環境に対する負荷をも考慮に入れたバイオマス確保のための戦略について、今後取るべき方向性の指針が得られ、生存圏科学の発展や関連する人的関係の確立に大きく貢献したと考えられる。

プログラム

13:00–13:15 開会挨拶
13:15–14:00 天然ゴムの重要性と研究開発
林泰行 ((株)ブリヂストン中央研究所)
14:00–14:45 トチュウゴム生産による低炭素化社会の開発
中澤慶久 (大阪大学大学院工学研究科、日立造船(株)技術研究所)
14:45–15:00 休憩
15:00–15:45 植物バイオテクノロジーにおけるメタボロミクスの役割
柴田大輔 (かずさDNA研究所)
15:45–16:30 生態系サービスと産業活動
町村尚、R. N. Shaw、松井孝典 (大阪大学大学院工学研究科)
16:30–16:40 休憩
16:40–17:05 熱帯産業林の持続的生産利用
梅澤俊明 (京都大学生存圏研究所)
17:05–17:30 セルロースナノファイバーの製造と利用
矢野浩之 (京都大学生存圏研究所)
17:30–17:55 偏波合成開口レーダを用いた大規模植林地における森林バイオマス推定手法の開発
小林祥子 (立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部)、川井秀一 (京都大学生存圏研究所)、Ragil Widyorini (GADJAH MADA Univ.)、MHP Company Research Team (MHP Cooperation)、山口芳雄 (新潟大学工学部)
17:55 閉会挨拶

 

Symposium-0150 ポスター PDF ファイル (4 235 144 バイト)
ポスター制作: 梅澤俊明 (京都大学生存圏研究所)

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