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第38回生存圏シンポジウム
赤道域中間圏・熱圏・電離圏結合に関する研究集会

更新日: 2015/05/22

開催日時 2006/01/23(月曜日) 11:00–17:00
開催場所 京都大学生存圏研究所 遠隔講義室 (HS109)
主催者 名古屋大学太陽地球環境研究所,京都大学生存圏研究所
申請代表者 小川忠彦 (名古屋大学太陽地球環境研究所)
所内担当者 山本衛 (京都大学生存圏研究所大気圏環境情報分野)
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)
関連分野 生存圏科学、気象学、超高層物理学、大気化学。

備考: 第3回プロジェクト共同利用研究集会 (公募型)
生存圏シンポジウム 「赤道域中間圏・熱圏・電離圏結合に関する研究集会」
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/ear-toku/20060123_CPEA_WS/index.html

目的・内容

2001(平成 13)年度に開始された科研費特定領域研究「赤道大気上下結合」 (CPEA) において、これまで主としてインドネシア・スマトラ島の京都大学赤道大気レーダー (EAR) サイトに中間圏、熱圏、電離圏を観測する様々な装置を設置し、それぞれ観測を開始してきた。現在、各領域の観測データが蓄積されつつあり、また個別的な観測研究成果が得られつつある。本研究集会は、これらに加えて各領域間結合や下層大気との結合を議論することを目的とする。

赤道レーダーサイトおよびその周辺に設置された中間圏・熱圏・電離圏観測装置(流星レーダー、ライダー、大気光イメージャー、GPS、VHF レーダーなど)で得られた観測結果およびその研究成果が発表された。特に、電離圏プラズマの擾乱現象であるプラズマバブルの成長速度や発生の地域依存性、中間圏界面における金属原子 (Na, Fe) 層のライダー観測や中間圏中性大気風速との比較、VHF 帯のレーダーを使った電離圏擾乱についての発表が行なわれ、活発な議論が行なわれた。また、情報通信研究機構の丸山先生から、インドネシア・タイに展開されているイオノゾンデ観測網の紹介があり、熱圏大気風速についての議論が行なわれた。さらに、電離圏プラズマバブルや大気波動について、中間圏の現象、さらには対流圏における大気擾乱との関連についての発表があり、電離圏・中間圏さらには対流圏との結合過程に関する議論が行なわれた。

招待講演をしていただいたブラジル・INPE の高橋先生(客員教授として名大 STE 研に滞在)からは、南米域での中間圏における大気波動の電離圏への影響に関する講演があり、大気の上下結合だけでなく、南米とインドネシア域といった経度方向のつながりの重要性が指摘された。また、同じく招待講演をしていただいた東北大学の藤原先生からは、下層大気から熱圏・電離圏までを含むグローバルシミュレーションの紹介があり、大気上下結合の解明には観測とシミュレーションとの協力が必要不可欠であることが指摘された。

本研究集会において、中間圏・熱圏・電離圏の各領域間の結合・関連について活発な議論が行なわれ、興味深い現象について特定の日を決めて各観測装置で得られたデータを相互比較し、検討を進めることになった。また、電離圏プラズマバブルの発生と中層・下層大気との関連に関して新しい視点からの研究が始まるなど、本研究集会において、赤道大気上下結合の解明を促進させる成果を得ることができた。

http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/ear-toku/20060123_CPEA_WS/index.html にて研究集会成果を公表。

プログラム

11:00–11:10 コンビーナーあいさつ
11:10–11:30 横山竜宏 (名大・STEL)
赤道大気レーダーによるプラズマバブルの成長速度の研究
11:30–11:50 西岡未知 (京大・理)
GPS データを用いたプラズマバブルの経度依存性・地域特性
11:50–12:10 小川忠彦 (名大・STEL)
プラズマバブル発生と下層からの大気波動との関係
12:10–12:30 丸山隆 (NICT)
SEALION の現状と初期結果、HWM93 との比較
12:30–13:30 昼食
13:30–14:00 招待講演
高橋久夫 (INPE)
赤道域プラネタリー波(赤道波)の電離層への影響
14:00–14:20 塩川和夫 (名大・STEL)
大気光イメージャーによる大気重力波観測を通した、赤道域における下層大気・中間圏と熱圏との結合過程について
14:20–14:40 Sridharan (京大・RISH)
Radar observations of wind variabilities over equatorial MLT region
14:40–15:10 招待講演
藤原均 (東北大)
低緯度熱圏・電離圏変動とグローバル GCM シミュレーション
15:10–15:30 休憩
15:30–15:50 中村卓司 (京大・RISH)
Variability of temperature in the MLT region by TIMED/SABER data
15:50–16:10 阿保真 (首都大)
赤道中間圏界面領域における sporadic Na/Fe 層のライダー観測
16:10–16:30 大塚雄一 (名大・STEL)
30 MHz レーダーによる低緯度 E 領域 FAI の観測(初期結果)
16:30–17:00 総合討論
コメント: 下舞豊志(島根大)、津川卓也(名大・STEL)

 

Symposium-0038 ポスター PDF ファイル (4 183 407 バイト)
ポスター制作: 山本衛 (京都大学生存圏研究所)

 

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