Research Institute for Sustainable Humanosphere

第148回定例オープンセミナー資料

開催日時 2012/06/20(水)
題目 生存圏科学と新産業
Humanosphere Science & New Industry
発表者 石川容平 (京都大学生存圏研究所生存圏電波応用分野・特任教授)
関連ミッション ミッション 2 (太陽エネルギー変換・利用)

要旨

途上国が牽引していた経済が先進国の不況に影響を受け、世界経済が混迷期にある。不況に伴い民族問題、宗教対立、領土問題、資源エネルギー、食料問題など が紛争を生む。互いに強い相関を持つこれらの問題が簡単に収束するとは思えない。さらに我が国では空前の震災に見舞われ、インフラの脆弱性が露見した結 果、被災地の住民は言うに及ばず、経済を牽引する製造業、産業界は大きな打撃を受けた。

国の根幹は人材であると言われる。しかし国家として存続するためには彼らが生存基盤に深い関心を持ち盤石な基盤の上に立つ社会・経済システムの構築を指向することが重要である。6 次産業は行き過ぎた水平分業に対する一つの提案かも知れない。

生存圏研究所のテーマは国家が自立発展するための大きな切り口である。生活圏、森林圏、大気圏、宇宙空間圏 これらは 互いに独立ではない。個性を保ちながら圏としての確固たる性格付けを持つ。わが国の様な狭小な島国国家で、自立経済の基盤として今最も世間を賑わしている のが、安全なエネルギーの確保、さらに円の強さに隠れて息を潜めているが、食糧、水、資源の確保である。これらは常に地域紛争の引き金になる。

研究所の規模拡大につれて将来研究対象となる海洋圏も含め、これらの圏に分布存在する自然資本の自国内確保と有効利用システム確立が国家成立の基本要件と考える。

わが国は海に囲まれ第 6 位の排他的経済水域を持つ。太陽エネルギーと水と水溶性資源に隣接して暮らすと言っても過言ではない。また未利用の森林と都市鉱山が大量に存在する。世界 のモデルとなるクリーンな自立経済圏を作る要素はすべて揃っているにも関わらず構造的に職不足の状態が継続している。生存圏科学の持つ潜在的な新産業と職 創出について述べる。

一つ前のページへもどる