Research Institute for Sustainable Humanosphere

第146回定例オープンセミナー資料

開催日時 2012/01/25(水)
題目 ナノプラズモニクスによるバイオセンシングと化学反応のモニタリング
Bio-sensing and monitoring of chemical reactions using nano-plasmonics
発表者 三宮 工 (東京工業大学大学院理工学研究科材料工学専攻・助教)
Takumi Sannomiya, Tokyo Institute of Technology, Department of Metallurgy and Ceramics Science
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)
ミッション 2 (太陽エネルギー変換・利用)
ミッション 4 (循環型資源・材料開発)

要旨

貴金属ナノ粒子が特異な色を示すことは古くから知られており、退色しないことからステンドグラスやガラス工芸品などの着色に用いられてきた。光の波長より 十分小さなサイズの金属ナノ粒子内では、自由電子が光の電場に応答し、紫外・可視・赤外付近で特徴的な共鳴(局在表面プラズモン共鳴、LSPR)を示すた めに発色することが知られている。近年、ナノテクノロジーの発達により様々なナノ粒子を製造することが可能となり、金属ナノ粒子の情報伝送・太陽電池・触 媒・センシングなどへの応用が期待されている。今回はその中でもセンシング技術に注目する。

ナノ粒子のプラズモン共鳴は、粒子に近接する物質の屈折率に敏感であるため、共鳴波長を測定することで、屈折率変化を伴う分子吸着を検出することが可能で ある。この方法は生体分子(抗原、抗体、DNA など)の検出に有用であり、高感度のバイオセンサーとして使われている。光の透過を測定するというシンプルな仕組みと、センサーチップが小さく使い捨てに できることから、血糖値測定のような自宅でのガン検診などへの応用が期待されている。原理的には単一ナノ粒子をセンサーとして用いることが出来るため、単 一粒子を観察することで、単一粒子の吸着プロセスや、DNA 分子の結合・屈伸・乖離などが観察されている。

化学反応も一般に屈折率変化を伴うため、ナノ粒子のプラズモン共鳴を使って反応プロセスをモニタすることも可能である。

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図 4 世紀に作られたとされる Lycurgus Cup (大英博物館所蔵)。ガラス中の金属ナノ粒子の散乱により、光を外から当てたとき(左)と光源を杯の中にいれたとき(右)で異なる色を示す。

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