Research Institute for Sustainable Humanosphere

第139回定例オープンセミナー資料

開催日時 2011/10/26(水)
題目 宇宙の天気、宇宙の嵐
Space weather and space storms
発表者 海老原祐輔 (京都大学生存圏研究所・准教授)
関連ミッション ミッション 3 (宇宙環境・利用)

要旨

気象衛星、GPS 衛星、通信衛星、放送衛星など、私達の生活は人工衛星という宇宙のインフラストラクチャに依存しています。宇宙機が飛翔する空間を宇宙空間と呼び、宇宙空 間の状態を宇宙天気と呼びます。太陽から届く可視光線や赤外線などの電磁波が天気を支配しますが、太陽から届くプラズマの風(太陽風)が宇宙天気を支配し ます。

太陽風と地球固有磁場が相互作用した結果、様々な宇宙天気が現れます。極域の夜空を飾るオーロラは宇宙天気の一例です。嵐もおこります。高温のプラズマが 地球近傍に押し寄せて地球を取り囲む電流を流し、高エネルギーの粒子が数桁以上増加します。これを磁気嵐と呼び、人工衛星の帯電や、衛星に搭載された半導 体の誤動作などの原因となります。

多くの人工衛星は地球固有の磁場が支配する内部磁気圏を飛翔しています。内部磁気圏では荷電粒子が比較的安定に捕らえられており、特にエネルギーの高いも のは放射線帯又はヴァン・アレン帯と呼ばれています。これら粒子の起源、輸送、加速、消失過程を理解することが重要課題となっています。

セミナーでは、シミュレーション、衛星観測、地上レーダー観測を組み合わせた最新の研究成果をわかりやすく解説するとともに、平成 23 年度生存圏科学萌芽研究として進めている研究プロジェクトにも触れたいと思います。

 

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地球固有の磁場が支配する磁気圏。左側から吹き付ける太陽風の為、地球起源の磁力線は大きく変形します。地球近傍では地球固有の磁場が強く、高エネルギーの荷電粒子が蓄積します。

 

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磁気嵐のシミュレーション結果。磁気嵐がはじまると高温のプラズマが地球近傍に集まり、地球を取り囲むような電流「リングカレント」が発達する。リングカレントは地球の磁場を数日にわたり乱します。

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