Research Institute for Sustainable Humanosphere

第112回定例オープンセミナー資料

開催日時 2010/02/10(水)
題目 インドネシア・ジャワ島の鍾乳石を用いた古気候学的研究
Paleoclimatological study using stalagmites from Java Island, Indonesia
発表者 渡邊裕美子 (京都大学大学院理学研究科・助教)
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)

要旨

地球環境の現在を知り、近未来における変化に備えるためには、近い過去にどのような気候/環境の変動があったかを詳細に復元し、その変動要因を探ることが必要不可欠である。とりわけ、我々が住むアジアの広域的な古気候/古環境の変動要因として、最も大気の対流活動が活発な赤道域の変動過程を知ることは極めて重要である。

本研究では、大気の対流活動が最も活発な赤道域の気候変遷を明らかにすることを目指し、アジア赤道域の中核に位置するインドネシア・ジャワ島において、鍾乳石を用いた古気候/古環境の復元を進めている。これまでに、ジャワ島西部のスカブミ地域、中部のカランボロン地域、東部のグヌングシュー地域において計 4 回のフィールド調査を行い、多くの鍾乳石試料を採取した。採取した試料の中から、西ジャワの鍾乳石中の炭素・酸素同位体比を年々スケールで分析し、過去 50 年間の降水量と比較をしたところ、両者に負の相関が認められた(特に、炭素同位体比と降水量は、高い相関係数 R2=0.85 を持つ)。このことから、鍾乳石中の安定同位体比は降水量のプロキシとなることが示唆された。本講演では、過去 400 年間にわたり鍾乳石の安定同位体比を分析した結果も紹介し、他の気候指標との関連についても議論したい。

S0112_Watanabe

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