Research Institute for Sustainable Humanosphere

第110回定例オープンセミナー資料

開催日時 2010/01/20(水)
題目 セルロース誘導体の水中での会合構造の解明と構造-物性相関
Elucidation of aggregation structures of cellulose derivatives in aqueous media and their structure-property relationships
発表者 上高原浩 (京都大学大学院農学研究科・助教)
関連ミッション ミッション 4 (循環型資源・材料開発)

要旨

メチルセルロース水溶液が示す 65 ℃付近での可逆的熱ゲル化や界面活性能発現の仕組みを分子レベルで解明するため、ゲル化架橋点に存在するとされているグルコースの 2,3,6 位の水酸基が全てメチル化された合成ブロックと非修飾のグルコースブロックからなるブロック的メチル化セロオリゴ糖を合成した(図 1)。合成ルートの簡略化のために、合成ブロックを共通化した。

AB-ジブロック型化合物 1, 2, 3, 4 水溶液の界面活性能を調べたところ、工業的に生産されているメチルセルロース水溶液のそれよりも高活性であった。一般に界面活性能を示す両親媒性化合物は水中で会合体を形成することが知られており、上記化合物が界面活性を示したことは水中で何らかの会合体を形成していることを示唆している。つまり、水中ではメチル化グルコースブロック間の疎水性相互作用が会合体形成を促していると考えられ、メチルセルロースのゲル化架橋点近傍の化学構造について知見を得るためにブロック的メチル化セロオリゴ糖の会合構造を直接観察することは極めて重要である。

そこで、水中の会合体構造サイズを物理化学的手法(静的および動的光散乱法)により検討した後、TEM, cryo-TEM により会合体構造を直接観察し、ブロック的メチル化セロオリゴ糖の一次構造-会合体構造-物性相関を明らかにすることにより、工業的に生産されているメチルセルロースの物性発現機構に有機化学的手法で迫りたいと考えた。本発表ではこれらのデータに基づき、新たな循環型資源・材料開発にどのように結びつけるか、その方向性についても論ずる。

S0110_Kamitakahara図 1 これまでに化学合成したブロック的メチル化セロオリゴ糖

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