Research Institute for Sustainable Humanosphere

第49回定例オープンセミナー資料

開催日時 2007/02/14(水)
題目 植物と微生物の相利共生: 根粒形成と菌根形成
発表者 畑信吾 (京都大学生命科学研究科・助教授)

要旨

マメ科植物は根に根粒(第 1 図)を形成してその中に根粒菌という一種のバクテリアを棲まわせ、植物は地上部で太陽エネルギーを受けて作った光合成産物を根粒菌に与える見返りに根粒菌 は大気中の窒素をアンモニアに転換して植物に返す、という相利共生を行う。一方、マメ科を含む大部分の陸上植物はアーバスキュラー菌根菌(AM 菌)というカビの一種を受け入れて菌根(第 2 図)を形成し、植物は光合成産物を AM 菌に与え、逆に AM 菌は植物の根が届かない範囲まで伸ばした外生菌糸からリン酸や水分を吸収して植物に与えている。これらの研究は生物学的に興味深いばかりでなく、環境に配 慮した省エネルギー型農業を確立する基礎としても重要である。

我々は、マメ科モデル植物ミヤコグサの遺伝子発現を調べ、宿主植物はフェニルアラニンアンモニアリアーゼ (PAL) 遺伝子をはじめとする防御応答関連遺伝子の発現を上記の共生成立に伴って抑制することを見いだした。また、菌根特異的リン酸トランスポーターの生理的役割 を明らかにする過程において、宿主植物は共生微生物の働きを監視し、能率が低い共生微生物には攻撃を加えるという意外な観察も行った。

セミナーでは、主として以上の知見を紹介する。

畑信吾: 第49回定例オープンセミナー(2007年2月14日)

 

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