Research Institute for Sustainable Humanosphere

第32回(2006年度第6回)定例オープンセミナー資料

開催日時 2006/06/28(水)
題目 歴史的建造物由来古材の材質評価に関するデータベースの構築
発表者 横山操 (京都大学生存圏研究所・ミッション専攻研究員)
関連ミッション ミッション 4 (循環型資源・材料開発)
共同研究者 川井秀一 (京都大学生存圏研究所)

杉山淳司 (京都大学生存圏研究所)

矢野浩之 (京都大学生存圏研究所)

窪寺茂 (奈良文化財研究所)

光谷拓実 (奈良文化財研究所)

清水重敦 (奈良文化財研究所)

今村峯雄 (歴史民俗博物館)

坂本稔 (歴史民俗博物館)

矢野健一郎 (東京藝術大学)

浜島正士 (文化財建造物保存技術協会、別府大学)

要旨

近年、発表者らは、木材の経年による変化の詳細を検討することを目的として、温度―時間換算則に基づき、熱処理によって人為的に促進劣化処理した現生材を用いた実験を行ってきた。その一方で、関連研究機関および行政機関などと連携し、従来のシステムでは入手不可能であった指定文化財である歴史的建造物の修理現場の取替え古材を生存圏研究所材鑑調査室の資料として収集してきた。

そこで、現在は、近年の取り組みで実験可能となった古材試料の中から、飛鳥、奈良平安、鎌倉、室町、江戸、明治、大正・昭和、現生まで、各時代を代表する試料をそれぞれ選定し、年輪年代学をはじめ、C14 年代などを含めた木質科学的手法を総合することにより、古材の材質評価についての取り組みを行なっている。

木材の経年変化を明らかにすることは、材料特性を把握し、資源の有効利用のためにも必須の解明課題であるが、さらには、建築様式や文書、加工痕など人文科学的手法を主体とする指定文化財建造物の修理事業における現状の調査研究に対しても、C14 年代や年輪年代学、さらには木質科学や材料学による自然科学的手法を複合した本研究のようなアプローチは不可欠となるであろう。

人文科学と自然科学両者を融合し、新たな学際領域を目指す上でも、本プロジェクトは初めの一歩となりうると考えている。現時点での取り組みと今後の計画について報告する。

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