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母岩が異なる森林土壌からの炭素放出と微生物群集の関係解明
Variation in soil respiration and its relation to microbial community in contrasting soil types in temperate forests

更新日: 2020/04/21

氏名 中村亮介
共同研究者 塩谷雅人
採択年 2020(令和2) 年度

森林土壌―大気間の炭素動態の解明は、将来の気候変動の緩和措置と予測精度の向上に貢献する。土壌は様々な母岩から生成しており、母岩の化学組成に応じて土壌の栄養塩や重金属の含量は大きく変化する。また、土壌に応じて生育する植物種や植物体の元素組成も大きく変化し、易分解性、難分解といった植物遺体の質に応じて土壌微生物群集の組成も変化する。これらの非生物学・生物学的要因は森林土壌からの炭素放出速度を大きく変動させうるが、中でも母岩と微生物群集の要因を包括的に含めた視点からの森林土壌の炭素放出プロセスの研究は未だに多くの実証的な解明を要する。

本研究は、異なる母岩から生成した森林土壌に着目し、土壌の炭素放出と微生物群集の組成および機能との関係解明を目的とする。調査地は京都府の大江山と滋賀県の伊吹山とし、化学組成が大きく異なる3つの母岩(堆積岩、石灰岩、蛇紋岩)から生成した土壌を対象とする。これらの土壌は栄養塩と重金属の含量において異なり、微生物群集の組成と機能に大きな影響をおよぼすことが予測される。

本研究で様々な母岩に由来する土壌からの炭素放出速度を測定することで、日本における様々な生態系からの炭素放出プロセスの理解につながる。また、蛇紋岩土壌における微生物群集の多様性と分解機能を調査することで、他の生態系には見られないユニークな微生物の機能を明らかにすることができ、これは工業汚染地域におけるバイオレメディエーション(生物学的環境修復)など他分野にも通じる汎用性の高い知見をもたらし得る。

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2020年4月21日作成

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