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植物バイオマス由来抗ウイルス活性物質の探索
Antiviral compounds of plant biomass

更新日: 2016/05/13

氏名 成田亮
共同研究者 渡辺隆司
採択年 2016(平成28) 年度

近年、光合成による植物資源が再生可能な持続資源として有望視されており、特に95%を占める木質・森林バイオマスから得られるバイオエネルギーや化成品が脚光を浴びている。注目すべきは、木質バイオマスを資源として利用する過程において産出される副次的な天然物もまた有用であることである。木竹酢液は木竹炭を製造する際に副次的に得られ、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの熱分解生成物などから構成される。木竹酢液は古くから消毒、殺菌などに使用されており、様々な生理活性を有するバイオマスであるが、ウイルスなどの病原体に対する活性についての検討は十分ではない。一方植物は、二次代謝産物として多様な天然化合物を生産している。その数は20万種を超すと言われ、未利用のリソースとしての期待は大きい。中でも紫根の主成分であるシコニンと、キハダやオウレンなどに含まれるベルベリンは、どちらも安価かつ大量生産系が確立されている。本研究では、木質バイオマスの熱分解産物、木竹炭を製造する際に副次的に得られ、かつ様々な活性を有する木竹酢液および植物の二次代謝産物であるシコニンやベルベリンといった天然化合物に着目し、それらの抗ウイルス活性を解析することを目的とする。今年度も引き続き木竹酢液に含まれる抗ウイルス活性物質の単離を行うとともに、木竹酢液に多く含まれるフェノール類似体の抗ウイルス活性について詳細な解析を行う予定である。

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2016年5月13日掲載

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