関連ミッション
- ミッション1 「環境診断・循環機能制御」
- ミッション3 「宇宙生存環境」
研究概要
本研究は人工知能技術を活用した日本、中国と東南アジアでの大量のイオノグラムのパラメータの自動読取を行い、電離圏異常現象の解析と国際参照電離圏モデルの高精度化を目的とする。
近年の電離圏観測データ解析は、より長い時間と広い範囲にわたってきているが、この傾向に伴う膨大な電離圏観測データを知的に解析できる自動読取システムは現在まで開発されていない。かつ近年の機械学習を用いたイオノグラムの自動処理では、電離圏異常現象の発生有無と短時間予測に限られており、異常現象の特性値と電子密度の時空間分布を導出できない。東・東南アジアでの国際参照電離圏モデルの高精度化が現在の重要な課題である。
本研究では、最先端の機械学習自動検出技術を用いて、下図に示すように20年間の日本における五つのイオノゾンデの975万枚超、中国における四つのイオノゾンデの500万枚超、及び東南アジアにおける六つのイオノゾンデの1260万枚超の電離圏イオノグラム図を研究対象として電離圏擾乱現象の知的な自動解析と電子密度パラメータの読み取り手法を創出し、擾乱現象の外部要因依存、長短期変化、生成機構と発生原因を解明する。さらに国際参照電離圏モデルのデータベースに欠けている地区の電離圏パラメータを補完することが期待される。
本研究の提案手法の流れは五つの手順で構成される:まずは生データのノイズ除去と可視化、次は教師データの作成と機械学習モデル訓練、その後は訓練済みモデルを参照して数千万枚の画像の自動処理、さらに検出信号の画像座標系から元のイオノグラム座標系に復元してエコーの特性値を導出する、最後は電離圏異常現象の統計解析と国際参照電離圏モデルの高精度化である。本研究はGPS測位、無線通信など電離圏擾乱の影響を強く受ける電波利用技術の高品質化及び国際参照電離圏モデルの高精度化などの産業応用にとって不可欠な基礎研究である。
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2025年4月22日作成