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スギ材がヒトの心理生理に及ぼす作用 ~受容感覚間の相互作用~
Psychological and Physiological Effects of Japanese Cedar, Interaction among Various Senses

更新日: 2016/01/05

氏名 高橋良香
共同研究者 矢崎一史
採択年 2015(平成27) 年度

木材は、古くから人間生活に密接に関わっており、建築用資材や燃料、道具の製作等などに利用されてきた。近代に入り、化石燃料を素材とした工業の発達により、鉄やコンクリート、プラスチック等の素材が木材の代わりに使われるようになったが、地球環境に配慮した持続可能な資源という特徴に加え、人間の生活圏を支える優れた特徴をもつことから、木材の利用が注目されるようになってきている。

人間の生活圏を支える優れた特徴として、木材には、熱伝導率がコンクリートの約 12 分の 1 と熱を伝えにくく、吸湿性があることから、肌触りが心地良い。また、短波長域の光を吸収し、橙を中心とした赤から黄色の材色であるため、温かさを感じさせ、表面にある細かい凹凸が光を散乱させることで、ぎらつきを和らげるので、目を疲れさせない。また、木紛を通過させた空気(香り)には、脳波縺ョ一種である随伴性陰性変動を計測した実験から、鎮静作用があることが報告されており、その作用には木材に含まれる匂い成分の一つである α-ピネンが起因していると考えられる(寺内ら、1996、材料)。

本研究では、ヒトが木材に接するとき、触覚刺激、視覚刺激、嗅覚刺激を単独で受容するときと、複合して受容するときの、心理量および生理量を比較することで、ヒトがこれらの感覚をどのように統合しているかを明らかにすることを研究目的とした。また、木材以外の材料との比較を行うことで、材料の違いが、各種感覚の統合に影響を与えるかについても検討する。

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2015年4月28日掲載

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