Research Institute for Sustainable Humanosphere

木質資源の循環利用システムを地域社会=文化においてどう構築するか
How Sustainable Utilization System of Wood-based Resources be Conducted on Local Community?

氏名 鈴木遥
共同研究者 森拓郎
採択年 2012(平成24) 年度

研究の背景

木質資源を循環的に利用するためには、科学に基づいた知識・技術をいかに既存の社会=文化システムと融合させて実践できるかを検討することが不可欠であ る。しかし、木質資源の循環的利用に関する既往研究では、地域社会=文化と木材利用の相互関係を分析する研究視点は十分に発展してきていない。その理由の 一つには、物理生化学等の視点に立った研究がなされてきた中で、これらの科学的視点だけでは評価しきれない地域社会=文化の問題は中心的な研究対象となり にくかった点があるかもしれない。この研究課題に対する科学研究の蓄積が十分になされつつある現在、これを実社会=文化にどのように適応し、実践してゆく のかというもう一歩進んだ取り組みが今後ますます求められるだろう。

そのためにまずは、地域社会=文化に構築されてきている木材利用の仕組みを分析し、評価する必要がある。本研究では、以下に示すように、具体的な地域の事 例をもとに地域社会=文化の木材利用の仕組みを分析し、そこから木質資源の循環的利用システムに必要な要素を抽出する。本研究は、木質資源の循環的利用シ ステムを多様で固有な地域社会=文化において実践するための、柔軟性と適応性を持ち合わせた方法や技術の開発に向けた基礎的研究である。

具体的な研究内容

伝統的建造物群保存地区は、地域社会=文化の中でも木造建造物の保全と活用のために地域内で木材を持続的に利用してゆく方法が求められている地域である。 本研究は、近畿の伝統的建造物群保存地区を対象として、木材資源の利用システムの中でも建材利用等の木材需要を支えている木材の伐採、製材、流通、小売と いう一連の供給活動を分析し、そこから木材の循環的利用システムに必要な要素を抽出することを目的とする。フィールドワークを主な研究手法として、対象地 域の林産政策、木材供給に関わる木材会社、製材所、木材市場、小売店・設計士・大工・家主等の社会構造、地域内の木材供給の成立経緯、現状の社会経済状 況、木材供給の慣習等の分析を進めている。

2012m04

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