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マイクロ波による低炭素化社会構築への開発研究
Research and development for low-carbon society by microwave energy transmission

更新日: 2015/04/16

氏名 樫村京一郎
共同研究者 篠原真毅
採択年 2012(平成24) 年度

2011m01a
上図) 平成 19 年度の我が国における各分野温室ガス排出量(環境省調べ)。赤字部における炭素排出量はマイクロ波加熱で削減可能であり、この研究では「マイクロ波のエネルギー伝送能」に注目する。 (なお、この削減量は理論上では鉄鋼において 50 % に達する。)

上の図は我が国における各産業の温室効果排出量を円グラフとしたものである。各産業の温室ガス排出量は「鉄鋼、化学、窯業・土石」の順で大きくなってお り、この排出量を削減することは人類の生存圏確保に大きく貢献できる。近年、この工学問題への解として「マイクロ波の持つエネルギー伝送能」が注目されて いる。宇宙太陽光発電により得られた大電力は、火炎にかわる 21 世紀の新しいエネルギー源であり、その有効な運用は化石資源に依存した社会からの脱却をはかるための強力な手段となる。しかし、先に述べた素材製造分野で は産業革命より化石燃料による火力依存の製造法が採用されており、この分野で「化石燃料依存の火力に代わる効率的なマイクロ波加熱法」の開発が必要であ る。

本研究では素材製造分野における再生産可能なマイクロ波エネルギーによる新たな化学資源変換法の貢献を目的とし、特に金属精錬・新素材合成プロセス構築へ のエネルギー伝送法に焦点を置く。下の図はマイクロ波を上部から均等に照射した際の温度分布計算結果である。この図からは、同じエネルギーでも照射の仕方 により最高到達温度が異なることが分かる。熱力学的温度は化学合成において重要なパラメータであり、本研究ではこの最適化を実験的・解析的に進めている。

昨年度に本ミッションで得られた主な成果

[1] J. Fukushima, K. Kashimura, S. Takayama and M. Sato: Chem. Lett., 41 (2012) 39–41
[2] J. Fukushima, K. Kashimura, and M. Sato: Mater. Chem. Phys., 131 (2011) 178–183
[3] M. Sato, J. Fukushima, K. Kashimura and M. Tanaka: SPIE (2011) 8121–8135 (proceeding)
[4] J. Fukushima, K. Kashimura and M. Sato: AMPERE (2011) 9/8 (proceeding)
[5] J. Fukushima, K. Kashimura, M. Sato and M. Tanaka: AMPERE (2011) 9/8 (proceeding)
[6] M. Sato, J. Fukushima and K. Kashimura: An Over View ICMAT (2011) 6/26–7/1 (proceeding)

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