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光感応触媒を用いたバイオマス資源からの有用物質生産プロセスの開発

更新日: 2015/04/16

氏名 井口一成
共同研究者 渡辺隆司
採択年 2008(平成20) 年度

化石資源は直接燃料として利用できるだけではなく化学工業製品を生産するために必要不可欠であり、我々の生活には欠くことができない。しかし、化石燃料の枯渇化が深刻な問題となっている今日、代替資源の開発が求められる。トウモロコシを用いた食糧資源の利用が解決策に挙げられるが、食料問題が絡んでくる。ここで、木質バイオマスは地球上に最も多く存在する有機資源であり、かつ再生可能である。そこで木質バイオマスからのエネルギーおよび物質生産に着目した。木質バイオマスの主要構成成分の一つであるリグニンは熱源として焼却処理されている。しかし、クリーンで環境に優しいエネルギー生産の手段であるリグニンからの有用物質生産のための物質交換の手法は確立されておらず、今後の開発が期待される。

本研究では木質バイオマス、特にリグニンからの有用物質生産のための反応機構の開発を行うことを目的とする。UV、超音波、太陽光の照射を行い、光感応触媒として酸化チタンとゼオライトの他、白金/酸化チタン、白金/ゼオライトなど複合系を用いる。木質バイオマスとしては木材からのリグニンを用いて光感応触媒の存在下における照射によるリグニンの分解を行う。照射および触媒のリグニン分解への影響を視野に入れて実験を進める。質量分析による構造決定のために液体クロマトグラフィー質量分析計、ガスクロマトグラフィー質量分析計、飛行時間型質量分析計を用いる。更に正確な構造決定のために核磁気共鳴を用いる。これらの分析機器による分析の結果を総合的に評価することで生成物の構造を決定し、照射の効果や触媒の効果を考察してリグニン分解の反応機構を解明していく。

2008m09

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