『生存圏研究-Sustainable Humanosphere』 ISSN 2758-4259 第19号,2023(令和5)年11月21日発行
更新日: 2023/12/12
『生存圏研究-Sustainable Humanosphere』ISSN 2758-4259
第19号,2023(令和5)年11月21日発行
目次・巻頭言
目次
PDF
巻頭言
生存圏研究所 広報委員会 委員長 飛松裕基
P1
PDF
総説
宇宙の電波が生存圏を変える?
栗田 怜
P2-P8
PDF
概要(クリックで表示)
揺らしてわかる!木造住宅の耐震性能
中川 貴文
P9-P14
PDF
概要(クリックで表示)
「最近の木造住宅はどの程度の地震に耐えられるか?」家をお持ちの方や購入を検討されている方には非常に興味があるテーマだと思います。阪神淡路大震災以降、実物大の木造住宅を巨大な実験装置の上に再現して揺らし、直接耐震性能を確認する「振動台実験」が数多く行われてきました。また、実大振動台実験をコンピュータ上で再現するシミュレーション手法が開発され、住宅会社等での導入が進み、揺らして耐震性能を確認することが身近になってきています。木造住宅の耐震性能確保の仕組みと、生存圏研究所が無償公開している耐震シミュレーションソフトについて解説します。(クリックで格納)
繰り返し変形が木造住宅の耐震性能に及ぼす影響
井上 涼
P15-P20
PDF
概要(クリックで表示)
大気の乱れを見る
Hubert Luce
P21-P28 PDF
概要(クリックで表示)
大気の乱れ(大気乱流)とは、速度や向きが不規則に変化する大気の流れのことです。 大気乱流は、航空機の安全運航、気象予報の精度、大気汚染物質の拡散、風力発電機の寿命、地上からの天体観測などに影響を与えます。雲を伴う目に見える乱流は、乱流のごく一部の姿で、しばしば雲から遠く離れた場所でも発生し、晴天大気乱流(Clear Air Turbulence: CAT)と呼ばれます。乱流は風速や屈折率の乱れを発生させるため、これらの乱れに感度を持つセンサーやリモートセンシング装置を、乱流検出に利用することができます。本稿では、地上のドップラーレーダーや、気球や小型無人航空機 (UAV)に搭載されたセンサーが、この目的のためにどのように利用されるかなどについて紹介します。(クリックで格納)
樹木地上部における炭素蓄積量の年変動推定
田邊 智子
P29-P34
PDF
概要(クリックで表示)
樹木は、光合成により取り込んだ炭素を材料にして新しい葉や木部を生産する。生産に使われた炭素は枯死して分解されるまで樹体内に蓄積されるため、地球の炭素循環を考えるうえで長期的に炭素を留めておく要素の一つとして重要である。さらに樹木生産量は年により増減することが分かっている。そこで、生産量の年変動に影響する要因を明らかにすることは、全球的な炭素循環と気候との関係を予測する際の基礎的な情報として欠かせない。伐倒を伴わずに生産量の年変動を類推する手段として、高さ1.3 mの幹の年輪幅を指標とした評価が広く行われてきた。しかしいくつかの先行研究から、樹木の年生産は樹形が相似形を保つように起こるわけではないことが分かり始めている。つまり、ある一つの高さの年輪幅を指標とした従来の手法では、樹木生産量の年変動を正しく評価できていない可能性がある。本稿は樹木地上部の生産量を対象に、年変動を評価するための手法に着目する。これまで用いられてきた指標について整理したうえで、それらの課題と今後の展望について解説する。(クリックで格納)