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第18回生存圏研究所公開講演会を開催しました

 

当研究所では、生きていく上で必須の空間を「生存圏」として捉え、私たちが「生存圏」で直面するさまざまな問題に対してに学際的・総合的に取り組んでいます。その具体的な研究内容を知ってもらうため、毎年公開講演会を開催しています。
2022年10⽉22⽇(土)に第18回⽣存圏研究所公開講演会を開催し今年は67名の聴講者が訪れました。今年度は当研究所に所属する三⼈の教員が講演を⾏いました。

「大気の乱れを見る」 大気圏観測データ解析分野 教授 Hubert Luce

大気の乱れ(大気乱流)とは、速度や向きが不規則に変化する大気の流れのことです。 大気乱流は、航空機の安全運航、気象予報の精度、大気汚染物質の拡散、風力発電機の寿命、地上からの天体観測などに影響を与えます。講演では、地上のドップラーレーダーや、気球や小型無人航空機 (UAV) に搭載されたセンサーが、この目的のためにどのように利用されるかなどについて紹介しました。

「宇宙の電波が生存圏を変える?」 宇宙圏電磁環境探査分野 准教授

宇宙空間は真空ではなく、電気を帯びた気体である「プラズマ」で満たされています。このプラズマは、太陽から噴き出す「太陽風」が起源です。太陽風と比べ、地球周辺の宇宙空間にたどり着いたプラズマの中には、人工衛星の障害を引き起こすような高いエネルギーを獲得しているものがあります。講演では、プラズマ波動が織りなす宇宙空間から地球高層大気の変動に関して、紹介されました。

「揺らしてわかる!木造住宅の耐震性能」 生活圏木質構造科学分野 准教授

我が国は 3 つのプレートの境界に位置し、古くから何度も地震被害を受けていた歴史があります。このような歴史の中で、木造住宅の耐震研究分野では実大の木造住宅を巨大な実験装置で揺らして、直接耐震性能を確認する振動台実験が数多く行われ、実大振動台実験をコンピュータ上で再現するシミュレーション手法が開発されました。講演では、木造住宅の耐震性能確保の仕組みと、生存圏研究所が無償公開している耐震シミュレーションソフト「wallstat(ウォールスタット)」について解説しました。

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