杉山暁史教授らによる研究成果がプレスリリースされました「土壌揮発性有機化合物プロファイルがダイズ圃場の土壌評価に有効」
土壌の健全性は、持続可能な農業生産にとって重要です。近年、土壌揮発性有機化合物(VOC)が土壌の状態を敏感に反映しうることが報告されています。
そこで、杉山暁史 生存圏研究所教授らの研究グループは、ダイズ圃場の土壌VOCの組成(土壌VOCプロファイル)を包括的に分析し、土壌の評価指標としての可能性を検討しました。具体的には、福島県のダイズ圃場において、3年間にわたり異なる土壌条件で土壌サンプルを採取し、VOCを分析しました。さらに、より包括的な評価のため、各種土壌物理特性データや、土壌中の化合物および微生物のデータを取得しました。これらの土壌VOCプロファイルを解析した結果、開花期にダイズが生育するときに土壌VOC量が増加すること、土壌VOCプロファイルは、土壌関連の網羅的なデータセットと強い相関を示すことなどを、作物が生育する圃場について、世界で初めて明らかにしました。本研究成果は、土壌VOCプロファイルが農地の土壌評価の指標となることを示唆しています。
本研究成果は、2024年9月4日に、国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。
タイトル:Soil volatilomics uncovers tight linkage between soybean presence and soil omics profiles in agricultural fields(土壌volatilomicsにより農地におけるダイズの有無と土壌オミクス特性の強い結びつきを発見)
掲載誌:Scientific Reports
DOI: 10.1038/s41598-024-70873-x