Research Institute for Sustainable Humanosphere

ウイルス感染がヒアリを「拒食症」にすることを解明 -ヒアリの防除管理でウイルス感染を考慮する必要性を示唆- (ヤン・チンチェン講師)

ヤン・チンチェン 生存圏研究所講師らの研究グループは、外来侵入種であるヒアリが病原ウイルスSINV-1に感染した場合に、採食行動の低下と脂質摂取量の減少が見られ、嗜好性は炭水化物に富む食餌にシフトすることを世界で初めて明らかにしました。

本研究成果は、2018年9月10日に、英国の国際学術誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。

概要

病原体に感染した個体における採食量の低下(拒食症)や主要栄養素の嗜好性の変化が、さまざまな動物で報告されています。
本研究は、ヒアリがそのような反応を見せるかどうかを行動観察によって検証しました。まず、ヒアリのコロニーを2つに分割しました。そして、その片方には病原ウイルスSINV-1を感染させ、両方のコロニーに主要栄養素の比率が異なる4種類の食餌を与えて採食活動を記録しました。その結果、SINV-1に感染したコロニーは、ウイルスに感染していないコロニーに比べて、採食行動の低下と脂質摂取量の減少が見られ、嗜好性が炭水化物に富む食餌にシフトしたことが確認されました。
本研究は、病原ウイルスに対するヒアリの行動反応と、宿主であるヒアリと病原ウイルスの相互作用による採食シフトを世界で初めて立証したものです。本研究成果は、ヒアリの採食行動に沿った実効性の高い防除管理への応用が期待される成果です。

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