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バイオマス生産・利用研究(12)

更新日: 2016/01/05

森林バイオマスの持続的・循環的生産にむけて、大規模植林地の植生を衛星リモートセンシングと現地調査を組み合わせて解析し、宇宙圏と森林圏をつなぐ圏間連関研究を実施しました。また、森林圏から大気圏にわたる物質輸送・交換プロセスの解析、大気中の窒素を固定化する根粒細菌・植物間の相互作用解析、大気汚染物質の森林生態系への沈着、年輪情報による年代測定・気候復元に取り組み、森林圏と大気圏の圏間融合分野を開拓しました。森林バイオマスの持続的な利用に向けて、植物細胞壁成分の構造を制御する代謝工学を確立するとともに、植物由来生理活性物質や重金属の膜輸送に関与する鍵遺伝子を明らかにしました。また、SATREPSプロジェクトを開始し、熱帯荒廃地の植生回復を植物からのバイオマスエネルギーや有用物質生産を通して実現する研究に取り組んでいます。森林バイオマスの利用については、新規な木質建築工法の開発、木材侵入害虫・シロアリ防除法の開発、天然接着剤の開発に成功しました。また、セルロースナノファイバーの研究は、日本再興戦略にも明記され、国家プロジェクトの中核研究機関としてプロジェクトを推進しています。さらに、マイクロ波によるバイオ燃料、機能化学品の生産にも取り組み、テストプラントを建設し、産学連携で実証試験を行っています。これは、宇宙圏のマイクロ波工学研究と森林圏、人間生活圏の圏間融合研究として位置づけられます。バイオマス研究の中で、ポリフェノール素材や機能性糖質は、すでに産業化されています。

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2015年8月13日作成,2015年8月19日更新

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