Research Institute for Sustainable Humanosphere, Kyoto University.
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全国・国際共同利用設備:
MUレーダー(MUR)/赤道大気レーダー(EAR)


もくじ

MUレーダー(MUR)と信楽MU観測所

概要

MU レーダー(Middle and Upper Atmosphere Radar: 中層超高層大気観測用大型レーダー)は,滋賀県甲賀郡(2004 年 10 月より甲賀市)信楽町の信楽 MU 観測所に設置された世界最高性能,アジア域最大の大気観測レーダーで,1984 年の完成以来国内外の研究者に利用され,気象から超高層にいたる地球大気変動の解明に貢献しています。

MU レーダー (MUR)

MU レーダーは,周波数 46.5 MHz,帯域 3.5 MHz,出力 1 MW(尖頭電力)の VHF 帯の電波を用い,アンテナは直径 103 m の円内に 475 本の直交八木アンテナを並べた構造をしています。高速な送受信ビームの制御と多種多様な観測が可能なシステム設計が特徴です。2004 年には,MU レーダー観測強化システムを導入し,超多チャンネルデジタル受信機によるイメージング観測(大気微細構造の観測)が可能になりました。

MU レーダー外観

Outlook of the MU radar
Large size JPEG file (960 × 720, 180 kB)

アレイアンテナ

Array antenna

送信モジュール

TX/RX modules

信楽 MU 観測所と種々の大気観測装置

MU レーダーで培われた技術を応用して種々の小型大気観測レーダーが開発されました。最近は電波だけでなく光も用いた複合観測を行なっています。信楽MU観測所の 8 ha の敷地はこれらの装置が展開され,また全国から共同利用研究のための機器が持ち込まれており,大気観測の一大拠点となっています。

ミリ波ドップラーレーダー

Millimeter-wave Doppler radar

可搬型 L バンド下部対流圏レーダー

L-band lower troposphere radar

下部熱圏プロファイラレーダー

Lower thermosphere proflier radar

レイリーラマンライダー

Rayleigh Raman lidar

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赤道大気レーダー
(EAR, Equatorial Atmosphere Radar)

インドネシア共和国西スマトラ州の赤道上にある,大型の大気観測用ドップラーレーダーです。560 本の 3 素子八木アンテナを直径 110 m のアンテナ敷地に配置し,MU レーダーと比較しても,送信出力が 100 kW である意外はほぼ同等の機能を備えています。高度 1.5 km から 20 km までの対流圏および下部成層圏,高度 90 km 以上に広がる電離圏イレギュラリティなど,広い高度範囲を観測します。

Antenna field of the EAR
写真:赤道大気レーダーアンテナ面

EAR は,インドネシア航空宇宙庁(LAPAN)との協力のもとで,2001 年 6 月以降,長期連続観測を継続中です。また科研費特定領域研究「赤道大気上下結合」を島根大,東京都立大,名古屋大等との共同で実施中(2001–2006 年度)であり,研究協力によって下図に示すような多くの観測装置が集積してきました。

Various instrument in the EAR site
図:赤道大気レーダーサイトの各種観測装置

インドネシア国内には,EAR に加えてジャカルタ近郊,ジャワ島南部,カリマンタン島西部に MF レーダーヤ境界層レーダーを有しており,インドネシア地域の観測ネットワークを形成しています(下図)。さらに MU レーダーおよび諸外国の大気観測用レーダーを合わせて,赤道を中心とする国際的なレーダーネットワークが形作られています。

International network of atmospheric radars around the equator
図:赤道を中心とする国際大気レーダーネットワーク
1072 × 797 JPEG file (236 048 Bytes)

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