京都大学生存圏研究所
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全国・国際共同利用

もくじ


プロジェクト共同利用

1. 概要

生存圏の正しい理解と問題解決のために、環境計測・地球再生、太陽エネルギー変換・利用、宇宙環境・利用、循環型資源・材料開発をミッションとし、ミッションと深く関わる研究テーマについて、全国・国際レベルでプロジェクト研究を展開するとともに、公開シンポジウムを積極的に開催して成果を社会に発信する。

2. シンポジウムの開催

全国共同利用研究および研究所ミッションに関わる事業・研究について討議し、成果を広報するため、積極的に「生存圏シンポジウム」を開催している。今年度は、一部プロジェクト共同利用委員会の主催するシンポジウムを除いて公募型とし、広く生存圏科学に関わる融合的、横断的、俯瞰的なプロジェクト研究を公募する。

昨年度は、生存圏研究所の全国共同利用の展開と研究所ミッションの推進に関連した「生存圏シンポジウム」が 19 件、さらに生存圏科学研究の関連分野における萌芽的研究に関するテーマについて全国の研究者が集中的に討議する「公募型研究集会・シンポジウム」が 8 件である。また国際共同研究では、インドネシア・バリ島における日本学術振興会拠点大学方式による学術交流に関係する国際シンポジウムや、京大時計台記念ホールでの生存圏電波科学国際シンポジウムなど4件を開催した。

3. プロジェクト研究の概要

以下の研究プロジェクトに沿って、国内・国際共同研究プロジェクトを展開している。

3.1 国内プロジェクト研究

(1) 生命工学による木質資源回復と地球再生プロジェクト

再生型生存基盤である木質資源の生産利用システムの基盤構築を大目標とし、長期的展望に立った研究戦略を検討するシンポジウムを企画・開催し、わが国の木質生命科学の拠点として育てる。同時に、1) 森林生命システムの解明と環境修復、2) 木質形成バイオシステムの解明と木質分子工学、3) 生命工学による熱帯木質資源の持続的利用研究を推進する。また、本プロジェクトの遂行には、組換え樹木を育成するための閉鎖系大型温室が必要不可欠であり、平成 19 年度に概算要求をしていく。

(2) バイオマスエネルギープロジェクト

持続的生存圏の確立のため、光合成による炭素固定化物である木質系バイオマスをエネルギーのみでなく化学品や機能性材料に変換する生物化学的及び熱化学的変換プロセスを開発する共同研究を立案する。「石油化学」に替わり、バイオマスからエネルギーや有用物質を生産するため、異なる専門性をもった学内外の研究者が結集して、環境負荷の少ない新規変換プロセスを確立する。

(3) 低環境負荷・資源循環型長寿命木造住宅プロジェクト

質的に豊かで、真に健康的で、100 年の耐久性を持ち、かつ耐震性能に優れた、21世紀に相応しい木造軸組み構法住宅を目指して、「自然素材活用型木造軸組構造住宅の開発」、「環境調和型木造住宅保守管理システムの開発」、「解体廃材の選択的木炭化技術に関する研究開発」、「住宅の調湿能判定法の開発」等の基盤的技術の開発を行う。

(4) 地球大気情報の総合解析プロジェクト

ミッション 1 「環境計測・地球再生」の一環として, 地球大気変動をモニターし、そのメカニズムを解明するため, 将来予測に足る精緻な定点(地上)観測と衛星からのリモートセンシングに代表されるグローバルな観測データを総合的に収集したデータベースの構築を目指している. これらのデータは「生存圏データベース」の一つとして, 全国共同利用に供する予定である。

(5) 宇宙電磁環境衛星観測プロジェクト

宇宙空間における電磁環境の変化を衛星によるプラズマ波動観測・解析によって明らかにすることを目的とする。GEOTAIL プラズマ波動観測では日米共同ミッションとして成功を収めており、更に、平成 16 年度には、水星ミッション (BepiColombo) に、本研究所が中心となり日欧で共同提案したプラズマ波動観測が採択され、国内共同研究者とともに、宇宙電磁環境探査に関する日米欧の共同研究プロジェクトを大規模に展開・発展させていく。

(6) 生存圏植物材料フロンティアプロジェクト

人類の持続的生存に資する新しい植物材料の創成を目指し、国内外の研究者が参加して、形質転換植物材料、セルロース系ナノファイバー複合材料、木質炭素材料など、植物材料開発のフロンティアに取り組む。ミッション4の関連事業として、プロジェクト型全国共同研究を推進する。

(7) 生存圏における木質の循環解析

インドネシアスマトラ島における 20 万 ha のアカシア産業造林地をフィールドとし、森林圏および大気圏の炭素、水蒸気などの物質循環を精測して、物質フロー解析やライフサイクル評価による環境負荷影響評価を行う。これによって、大気圏・森林圏の圏間相互作用を明らかにし、地域の環境と木材の持続的生産の維持およびそこから生まれる木質資源の利活用を図る。

3.2 国際プロジェクト研究

国際プロジェクト研究については、各専門委員会が実施している国際共同研究(赤道大気レーダー EAR 等)に基づくもののほか、「RISH インドネシアサテライトオフィス(JSPS-LIPI 拠点大学方式により 2004 年から設置)を拠点とした熱帯森林資源に関する国際共同研究」、「宇宙空間シミュレーション国際学校」、「インドネシアにおける赤道大気観測に関する啓蒙的国際活動」、「科学衛星 GEOTAIL プラズマ波動観測による国際共同研究」、「水星探査ミッションにおける欧州との国際共同研究」、「赤道太平洋域における大気微量成分の国際共同観測」、「アカシアマンギウム林をフィールド拠点とした国際共同研究」等々を推し進めている。

また、国際学術協定 (MOU) を取り交わしている研究機関との国際共同研究や、その他の多くの課題について国際共同研究を行っている。