生存圏フォーラム 第28回連載コラム
2018年2月6日、宇宙開発は新たな一歩を踏み出した。米国Space X社がFalcon Heavyの打ち上げに成功したのである。Falcon Heavyは、低軌道に64トン弱、火星軌道に17トン弱ものペイロードを打ち上げることのできる大型ロケットである。また、Falcon Heavyは打ち上げ後の1段目ロケットを回収して再利用することも目指している。幸いにも、京都大学ジョン万プログラムの支援でアメリカ・フロリダ大学に滞在中のため、2月6日に実施されたFalcon Heavy Test Flightを現地(大学から車で約3時間)で見学することができた。当日は上空の風が強く、現地14時予定の打ち上げ時刻が、14時20分、14時50分、15時15分、、、と度々延期になり、ついには翌日に延期される可能性もあってソワソワしたが、15時45分、無事に打ち上げられた。その数分後、「1段目ロケットのサイドブースター2機が着陸場に戻ってくる」という状況が誰にとっても初体験であるため、サイドブースターが上空で一瞬だけ噴射をした際には「サイドブースターはどこ?」と見学者全員で探し回ったのが印象的だった。2度目の噴射時には既に着陸場間際に達しており、2機が無事に着陸した時には見学場は大歓声に包まれた。今回の打ち上げを現地で生で体験できたことに感謝するとともに、海外滞在の醍醐味を味わうことができた。
(生存圏フォーラム会員 京都大学准教授 三谷 友彦)