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生存圏フォーラム 第15回連載コラム

ダイズは世界的に重要な作物で、日本では豆腐、味噌、醤油など身近な食品として利用されていますが、世界的には油や飼料としても使われています。ダイズを研究していると、夏場に「枝豆」を持って帰ることがあるのですが、枝豆がダイズというと驚かれることがよくあります。なめ茸がエノキダケということとどちらが有名でしょうか。
夏場に大きく膨らんだ枝豆は、秋に成熟し、節分にまく豆のように固く小さくなります。私たちの研究では土壌の性質(微生物の違いなど)とダイズの生育との関係を調べています。比較のため圃場ごとに小さく硬くなった豆を数えて重さを量りたいのですが、ビールのお供に最高な枝豆は畑の周りに住んでいるサルやアライグマの好物でもあり、圃場に行くと丁寧に莢が剥かれて落ちていることもあります。そのため研究では収量を測定せずに、枝豆ができる頃までの成長を記録しています。
(生存圏フォーラム会員 京都大学准教授 杉山 暁史)