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生存圏フォーラム 第14回連載コラム

もう二十年近く前になるだろうか、高校時代からの友人から「もののけ姫」を薦められた。私は昔からアニメ映画というものに興味がなかったのだが、意を決してレンタルしたのであった。その理由は、同時に二人から薦められたこと、そして、その二人が共通の“解釈”を披露してくれたからである。彼ら曰く《誰も悪くない》というのがその作品の本質である、と。この映画が公開された当時興味はなかったが、米良美一の歌がヒットしたこともあり、話題になっていたことは知っていた。そして、子供向けアニメ以上のメッセージが秘められているらしいことも耳にしていた。だから、《誰も悪くない》という解釈が気になったのだ。ところでいま、wikipediaを参照すると、「この作品には子供たちの心の空洞、至る所に起こる差別、人間と自然との関わり、人間の憎悪の増幅作用、殺戮へ突き進む闘争本能、神秘主義と合理主義の対立といった現代の厳しい課題が詰め込まれている」と書かれてある。そして、宮崎駿が説いた「解決不能な問題ですよね。今までの映画は、解決可能な小課題を作って、取り合えず今日はそれを超えたと、それをひとつのセオリーにしてきたんですけどね。それが映画の枠内だと。それでやると、現代で僕らがぶつかっている問題とは拮抗しないという結論が出たんじゃないかなぁ」とのコメントを紹介している。なんとも“生存圏科学な”映画じゃないですか!さて、友人二人の解釈には続きがあり、《みんな良かれと思って選択した道であっても、世界が破たんすることはある。しかし、再生もする。》と。私は彼らの言っていたことが「諸行無常」なのではないかと理解している。で、あなたの感想は?って。それはいずれ、また。(生存圏フォーラム会員 K.T)