津田研究室(京都大学生存圏研究所 大気圏精測診断分野)

津田研究室で用いられている観測機器をご紹介します。

観測装置 / 流星レーダー

 太陽系内を運動する塵(流星物質)が地球大気に突入して発光する現象が流星ですが、このとき高度80-110kmにできる電子飛跡(電離飛跡)は、強く電波を散乱します。この散乱を利用して、高度80-110kmの大気の運動(風速)や温度情報を測定するのが流星レーダーです。

京都大学流星レーダー(信楽町(現甲賀市))(136.1E, 34.9N)

 京都大学工学部附属電離層研究施設の時代、1977年から滋賀県信楽町に開発してきた流星レーダーは、1983-1986年にコンピュータ化されて連続観測を行い、中層大気の循環・大気波動などの研究で大活躍しました。31.57MHz、10kWのレーダーです。

ジャカルタ流星レーダー(スルポン、西ジャワ・インドネシア)(106.7E, 6.4S)

 1986年に観測を停止した信楽の流星レーダーの送信機を半導体化し、コンピュータ(ミニコン)をPCに変更した新システムで、赤道大気の謎に迫るために1992年からインドネシア・ジャカルタ郊外のスルポンで連続観測を行いました。2000年に老朽化して観測を停止しました。31.57MHz、10kWです。

コトタバン流星レーダー(西スマトラ・インドネシア)(100.3E, 0.2S)

 CPEA(赤道大気上下結合)プロジェクトでインドネシア・スマトラ島KototabangのEAR(赤道大気レーダー)サイトに流星レーダーを設置し2002年11月から連続観測を開始しました。赤道直下では初めての流星レーダーです。37.7MHz, 12kWのレーダーで、5本のアンテナの干渉計で全天の流星飛跡の方向を計測します。距離、ドップラー周波数偏移の情報を合わせて、上空80-105kmの風速、温度情報を観測します。

当装置が用いられる研究

 当装置は、以下の研究において用いられています。

総合観測
- TSUDA Laboratory - Research Institute for Sustainable Humanosphere [Contact]