津田研究室(京都大学生存圏研究所 大気圏精測診断分野)

津田研究室が取り組んでいる研究についてご説明します。

研究内容(学部生向け)

 21世紀は、地球環境の時代と言われていますが、地球環境変動を測定し監視する技術はまだまだ発展途上です。津田研究室では、電子工学・通信情報の最新技術を地球大気科学に応用することに取り組んでいます。

 地球大気環境の現状を知り、将来を予測するにはまず精密な観測が必要です。そこで、独創的な計測装置を開発して、地球大気情報を収集し、国際観測ネットワークを通じて得られる多量のデータと併せて解析を行い、さらに数値シミュレーションも合わせて、地球環境変化の科学的解明に貢献することを目指しています。そのために、以下のような研究・開発に取り組んでいます。

研究テーマ

衛星からの地球観測技術の基礎開発
今日の地球大気環境のモニタリングは、人工衛星からの観測抜きには語れません。例えば最近では精密測位のためのGPS衛星からの電波の屈折・散乱を利用して、気温、水蒸気量等を高精度で測る技術が急速に進展しつつあります。一方で、大気環境の計測を専門に行う人工衛星も多く打ち上げられています。
当研究室では、GPS電波を応用する様々な計測法の開発を行っています。最近では、山上や航空機にGPS受信機を展開して、大気の3次元構造を計測するための開発と実験等を行っています。
地上からの地球大気観測技術の開発
地上からのリモートセンシングもまた重要です。新しい技術はまず地上観測測器で開発されるので、技術開拓という意味では最先端です。
当研究室では、電波・光・音波に関する、最新の電子技術を用いた計測技術・測器開発を精力的に行っています。そして、多種の測器を実際に国内外に配備し、複合的な観測拠点を構築しています。開発した地上測器で、衛星搭載測器の検証を行うなど、前項の人工衛星観測とも、密接な関わりを持っています。
地球大気環境モニタリング
国内外での豊富な観測に加えて、衛星観測などにより全地球的(グローバル)なデータ収集を行っています。
現在、インドネシア国内各地に、レーダーや光観測の機器を開発・設置しています。これらにより、地球大気変動のモニタリングと、未知の大気現象の発見・解明に取り組んでいます。
データ解析・可視化ソフトの開発、数値シミュレーション
近年、大気に関するデータは、質・量ともに急速に増大しつつあり、既存の処理ソフトでは対応しにくくなっています。
当研究室では、次世代の汎用データ処理・可視化・シミュレーションのためのオブジェクト指向ソフトウェアの開発を行っています。併せて、大規模並列型数値モデルによる大気現象のシミュレーションも行っています。
- TSUDA Laboratory - Research Institute for Sustainable Humanosphere [Contact]