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生存圏フォーラム34回連載コラム

仕事柄、海外へ出かけることがかなりある。海外での仕事は、朝から晩まで会議をしたり講演をしたり移動したりする多忙な時もあれば、期間中1度だけ講演をすればいいという時もあり、様々である。忙中閑あり、ではないが、ぽっかり空き時間ができる時もある。そんな時私はスーパーやコンビニに行くのが好きである。市場へ行くのはよく観光コースにもなっているようだが、スーパーやコンビニでも十分楽しい。その国その国いろいろな食材や生活用品が売っていて、日本では見たとこもない肉や野菜、惣菜を見るだけでも楽しいし、意外な発見もある。例えば先日、ジュネーブでちょっと予算不足で赤字になりそうだったので、節約してパスタをゆでてホテルで食べようと思い、駅前のスーパーに行ったときは、パスタは比較的簡単に見つかるのだが、日本では当たり前のレトルトのパスタソースが皆無で、ビン詰めのソースしかなくて温めるのに湯煎で難儀をした。インドネシアのスーパーではかなりのものが日本で売られている製品そのもので、東南アジアでの日本の食材(製品)の影響力に驚いた。モントリオールのワンダラーショップ(100均ショップ)では2個1ドルのカップラーメンがとてもおいしかった。国ごとの違いを感じるとともに、寝て起きて食べるという生物としての人間の基本部分は大きくは変わらないとも感じ、いつも海外で隙間の時間ができるとせっせとスーパーに通っているのである。
(生存圏フォーラム会員 京都大学教授)