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金属トランスポーター発現植物による環境浄化技術の開発

平成19 (2007) 年度ミッション専攻研究員
増野亜実

カドミウムは、我が国最初の公害病であるイタイイタイ病の原因としてよく知られ、環境上大きな問題となっている有害重金属である。日本の土壌中には比較的高濃度のカドミウムが含まれており、我々が日頃食する農作物(コメ、ダイズなど)におけるカドミウムの混入が緊急に対処すべき課題として現在大きく取り沙汰されている。しかしカドミウムに汚染された土壌の浄化は容易ではない。その解決法として、本研究では植物のカドミウム吸収性を利用した土壌浄化法を提案する。こうした植物を用いる環境浄化法は「ファイトレメディエーション」と呼ばれ、安価で簡便であるという利点がある。自然界には、重金属に対して耐性 をもち、高度にそれを蓄積する植物が存在するが、小型で生育が遅い種も多く、必ずしもそれらは実用向きではない。そこで、種のもつ集積・耐性能に関与する有用なカドミウムトランンポータ遺伝子を取得し、これを生育の早い大型植物に導入することで、カドミウム吸収能力を飛躍的に向上させた環境浄化植物を創出したいと考えている。

なお、本研究は 21 世紀 COE プログラム「ゲノム科学の知的情報基盤・研究拠点形成」および日本学術振興会科学研究費・若手 B の支援の下、実施している。

Masuno 2007