研究概要
植物が作り出す多様な「細胞壁」と「二次代謝産物」の研究
一方、細胞壁は、陸上に存在する最大の生物資源(木質バイオマス)でもあります。まさに細胞壁の塊である木材に代表されるように、人は古来より、身近な細胞壁資源を様々な生活用途に利用してきました。昨今、深刻化する環境問題や資源・エネルギー問題を背景に、石油資源に替えて、カーボンニュートラルな細胞壁資源から様々な化学製品や燃料をクリーンに作り出そうという機運が世界的に高まっています。
植物はどのようにして複雑多様な細胞壁を作り出すのか?その仕組み(遺伝子)を利用して、「細胞壁=バイオマス」の形成を人為的にコントロールできるのではないか?そして、あわよくば、バイオマスの生産性や利用性を高めた植物を作り出すことができるのではないか?このような観点から、当研究室では細胞壁(リグノセルロース)の構造や形成、代謝工学に関わる基礎研究を行っています。また、細胞壁成分(リグニン)と生合成代謝経路を共有する有用二次代謝産物(フェニルプロパノイド)の生合成や代謝工学の研究も進めています。