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ラグスクリューボルトの傾斜埋め込み接合法の開発

平成22 (2010) 年度ミッション専攻研究員
中谷誠

地球温暖化と化石資源の枯渇に対する対策が重要課題とされている現在において、再生産可能な資源の中で生産量が最も多く、製品の加工時に生じる炭素量が少ない森林資源は循環型社会の形成のために活用すべき資源である。また、木造建築物は木質材料を多量に使用することから環境共生型社会の都市形成に大きく寄与できる。しかしながら、現在の木造住宅は寿命が約 30 年と短く長寿命化が求められている。一方、一般住宅から中規模集合住宅や学校施設まで内部空間を大きく設けることのできる木質ラーメン構造が注目を浴びている。木造ラーメン構造は内部空間を自由にアレンジできることから使用用途の変化に柔軟に対応でき、長期間の使用に適した建築構造であると言える。

本研究は、経済的で耐震性能の優れ、施工性とメンテナンスの容易な木質ラーメン構造の提案を目的とする。既往の研究において、大型のネジ型接合具であるラグスクリューボルトにより、施工性そして審美性に優れた木質ラーメン構造が提案されている。本研究では、これまでのラグスクリューボルトの使い方とは大きく異なる方法を導入することで、接合部での脆性的な破壊を抑制した新たな接合形式の開発を試みる。

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