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脱化石資源を目指したマイクロ波利用による材料(木質バイオマス材料・セラミックス・金属材料)のエネルギー・化学物質変換サーマルプロセスの開発

平成19 (2007) 年度ミッション専攻研究員
園部太郎

化学工業プロセスでは、化学変換プロセスに要する大部分の熱源供給を化石資源の熱変換に依存している。今後、地球規模での急激な人口増加と経済発展によるエネルギー需要量の増加に応えるためには、熱変換プロセス高効率化技術の開発が必要不可欠である。その一つの手段としてマイクロ波加熱は被加熱物質を直接内部発熱し、迅速かつ選択的に加熱できることから省エネ、高効率化技術として注目されている。最近では、金属やセラミックスの焼結などの高温プロセスへの応用が進められており、アルミナなど酸化物セラミックスでは 1 000 ℃以上まで加熱されることが知られている。このような、被加熱体を一種のヒーターとして利用することにより、従来に無かった迅速かつ選択的に熱源を供給できる変換プロセスを創生できる可能性がある。

一方、マイクロ波加熱ではマイクロ波の電界と磁界が物質に直接作用することにより発熱するが、その詳細なメカニズムは未だ明らかとなっていない。そこで、本研究では、被加熱体セラミックスのマイクロ波加熱特性を制御するためには、その構造特性とマイクロ波電磁界との相関を明らかにすることを目標とする。最終的には、被加熱体を用いて、木質バイオマスのガス化・液化プロセスなどへの応用を目指す。

Sonobe 2007