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宇宙プラズマにおける非平衡現象の統計解析

平成18 (2006) 年度ミッション専攻研究員
大塚史子

太陽フレアなどの太陽の活発な活動に伴い放出される太陽起源の高エネルギー粒子は、衛星機器のエラーや太陽電池パネルの劣化などの障害を引き起こします。これらの障害を未然に防ぐためには、高エネルギー粒子(宇宙線)の伝搬過程を予測することが重要です。

宇宙線は地球に伝搬してくる際に、惑星間の磁場擾乱の多様な特性を反映し、その伝搬過程は通常のガウス過程とは異なることが期待されます。たとえば、磁場が全くないところでは粒子は磁力線に沿って直線的に伝搬しますが、磁場が局所的に卓越したところでは多数回の反射を受けて捕捉されます。このような非ガウス的拡散を記述するものとしてレヴィ統計が挙げられます。本研究ではレヴィ統計にもとづくさまざまな手法により宇宙線が地球近傍の宇宙環境へ及ぼす影響の調査・診断を行います。