遺伝子発現を指標としたスギの各種材質特性の解明
平成17 (2005) 年度ミッション専攻研究員 小島陽一
本研究では、日本固有の樹種であるスギの高度利用を前提とし、その各種材質特性を遺伝子レベルで解明することを最終目標としている。
本研究で用いているヤマグニスギは古くから京都府を代表する優良品種であり、本研究で得られる成果はスギ育種の高度化、地場産業としての林業の活性化さらには我が国全体における林業の活性化に貢献するものと期待している。
ヤマグニスギは苗木の段階での針葉の形状が将来の通直性に影響を及ぼすということが苗木業者の長年の経験で明らかになっている。つまり「苗木段階での針葉の形状が内巻きである個体は通直な樹幹を形成するが、針葉の形状が外向きである個体は成長途中で樹幹が曲がってしまう」ということである。このことは現段階であくまで経験則であり、科学的に明らかになっていない。そこで本研究では、この経験則を分子生物学的手法を用いて遺伝子発現の観点から解明することを目指している。
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