Research Institute for Sustainable Humanosphere

第404回生存圏シンポジウム
中間圏・熱圏・電離圏研究会

Date 2019(令和元)年9月10日(火)15:00~12日(木)11:40
Place 京都大学宇治キャンパス 総合研究実験1号棟HW401(9月10日)
木質ホール3階(9月11~12日)
Host 横山竜宏 (京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野)
Research Leader 横山竜宏 (京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野)
Post 2019-07-10 20:58:35

令和元年度「STE現象報告会」・「MTI研究集会」・「宇宙空間からの地球超高層大気観測に関する研究会」・「太陽地球系物理学分野のデータ解析手法、ツールの理解と応用」合同研究集会プログラム(宇治キャンパス建物配置図付きPDFファイル,1 419 108バイト)

概要

2019(令和元)年9月9日から13日にかけて、表記の研究集会を含む5研究集会を合同で開催した。中間圏・熱圏・電離圏研究会では、学生・若手研究者の口頭発表を中心にプログラムを構成した。期間中66名の参加があり、その内、学生は21名、企業からの参加が1名あった。活発な議論が行われ、今後の研究の発展につながる研究集会となった。

目的と具体的な内容

中間圏・熱圏・電離圏(Mesosphere, Thermosphere and Ionosphere; MTI)領域は、太陽や宇宙からの粒子及び電磁エネルギーの流入による影響に加え、下層大気から伝搬する大気波動などによって激しく変動する領域である。また、同領域は、衛星測位に対する誤差要因など現代の社会基盤維持といった応用的な観点からも注目が高まっている。本研究集会は、上記のような MTI 領域の特徴を意識し、この領域で生じている物理・化学過程の理解を深めること、および他の研究領域や社会への応用を俯瞰的に捉えることを目的とする。

近年、MTI分野に限らず地球惑星科学分野の国際化に向けた動きに伴って、関連する学会やシンポジウムでの発表が英語化されつつあり、学生・若手研究者にとって日本語での正確な発表と議論を行う場が減ってきている。そこで本年度は、学生・若手研究者が自分の研究発表と議論を通じて研究の理解度を高めるだけでなく、質疑応答を訓練することを目指し、学生・若手研究者による口頭発表を中心とした研究集会とした。また、日本に滞在中の著名な海外の研究者と、火星の研究者を招待し、周辺分野における様々な研究手法の成果を共有することで、若手研究者が様々な分野で活躍できるようなキャリアプランを、若手自身とプロジェクトを推進する研究者の双方で考える場となった。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

地球大気圏の中でも本研究集会が焦点を当てているMTI領域は、太陽放射と太陽風のエネルギー流入による宇宙空間からの影響に加え、下層大気から伝搬する大気波動などによって激しく変動するまさしく宇宙圏と地球大気圏をつなぐ領域でり、この領域で発生する諸現象の解明には、MTI分野のみならず、太陽から気象分野で活躍する研究者が連携した学際型の共同研究を進める必要がある。このような共同研究を通じて、分野の枠を超えた生存圏科学の研究者コミュニティの形成が期待される。また、MTI領域で発生する擾乱現象は衛星測位に対する誤差要因になり、地球上で生活する人類の活動に必要なインフラに影響を及ぼすため、MTI領域の研究結果は社会応用的な側面を持つと考えられる。

本研究集会では、学生・若手研究者が他大学・他機関の研究者との議論を通じて、今後の生存圏科学発展を支える人材育成に寄与できたものと考えている。

プログラム

9月10日(火)@総合研究実験1号棟HW401

座長:冨川喜弘(極地研)
15:00–15:20 SuperDARN/mid-latitude SuperDARN — past, present and future
○西谷望(名大ISEE)、SuperDARN Pis
15:20–15:40 磁気圏電場による低緯度電離圏変動 —HF Doppler観測—
○菊池崇(名大ISEE)、冨澤一郎、橋本久美子、海老原祐輔、細川敬祐
15:40–16:00 Relationship between the large TEC fluctuation and ionospheric echoes observed by the SuperDARN radars in the auroral zone and midlatitudes during a geomagnetic storm
○惣宇利卓弥(名大ISEE)、新堀淳樹、大塚雄一、津川卓也、西岡未知、William Bristow、J. Michael Ruohoniemi、Simon G. Shepherd、西谷望

9月11日(水)@木質ホール

座長:西岡未知(NICT)
10:20–10:40 Intermediate layerの時間変化に対する中性風の影響に関した3次元数値シミュレーション
○安藤慧(京大院理)、齊藤昭則、品川裕之、宮崎真一
10:40–11:00 ハワイで得られた大気光画像に見られる中間圏・電離圏波動の水平位相速度・パワースペクトル密度分布の統計解析
○内藤豪人(名大ISEE)、塩川和夫、大塚雄一、坂野井健、齊藤昭則、中村卓司
11:00–11:20 Variations of CNA (cosmic noise absorption) by EEP (energetic electron precipitation) and changes of the auroral morphology
○宮本太志朗(名大ISEE)、大山伸一郎、小川泰信、細川敬祐、栗田伶、三好由純、片岡龍峰、宮岡宏、Tero Raita
11:20–11:40 全球GNSS-TECデータを用いた磁気嵐時におけるグローバルな電離圏電子密度変動の特徴とその生成要因について
○新堀淳樹(名大ISEE)、大塚雄一、惣宇利卓弥、津川卓也、西岡未知
11:40–13:00 昼休み
座長:穂積Kornyanat(NICT)

13:00–13:40 [Invited] What radars are teaching us about small scale ionospheric irregularities and why should we care?
○J.-P. St-Maurice(ISEE/Nagoya Univ.)
13:40–14:00 Case study on plasma blobs concurrently observed with bubbles in the Asian‐Oceanian sector
○Zheng Wang(Kyushu Univ.), Huixin Liu
14:00–14:20 Utilizing 4D-var technique to image South African regional ionosphere
○Nicholas Ssessanga(RISH/Kyoto Univ.), Yong Ha Kim, Mamoru Yamamoto, John Bosco Habarulema
14:20–14:40 What have we done to link ionospheric research to radio propagation users?
○Kornyanat Hozumi(NICT), Hiroyuki Nakata, Susumu Saito, Takashi Maruyama, Ryo Kakao, Takuya Tsugawa, and Mamoru Ishii
14:40–15:00 Influence of Atmospheric Tides on the occurrence of Counter Electrojet
○Dupinder Singh(Kyushu Univ.)
15:00–17:00 合同ポスターセッション @木質ホール
【MTI研究集会】

  1. ひまわり8号全球画像を用いた極中間圏雲の自動検出手法の開発
    ○川浦健斗(電通大)、津田卓雄、穂積裕太、安藤芳晃、細川敬祐、鈴木秀彦、中村卓司、村田健史
  2. 低コスト大気光カメラシステムの開発
    ○小松大介(電通大)、津田卓雄、Kim Nielsen
  3. Es層の研究に向けたFe/Fe+モデルの基礎開発
    ○佐久間智治(電通大)、津田卓雄、品川裕之
  4. イオノゾンデの受信アレイを用いた電離圏エコー到来方向の推定
    ○西岡未知(NICT)、前野英生、近藤巧、津川卓也
  5. The variation of F2-peak due to CO2 increase: experiment with GAIA model
    ○阿部宇宙(九州大)、Huixin Liu、垰千尋
  6. 南極昭和基地PANSYレーダーによる電離圏沿磁力線不規則構造のイメージング観測
    ○香川大輔(京大院理)
  7. トロムソナトリウムライダー5方向同時観測データを用いた北極域下部熱 圏・中間圏大気安定度の研究
    ○前田咲穂(名大ISEE)、野澤悟徳、津田卓雄、川原琢也、斎藤徳人、和田智 之、高橋透、川端哲也
  8. Sodium layer observations over Tibet and Beijing, China
    ○Yuan Xia(ISEE/NagoyaUniv.), Satonori Nozawa, Sakiho Maeda, Guotao Yang, Xuewu Cheng, Faquan Li, JihongWang, Yong Yang, Xin Lin

9月12日(木)@木質ホール

座長:津田卓雄(電通大)
10:00–10:40 [Invited] Comparative study for upper atmosphere between Earth and Mars (and Venus)
○中川広務(東北大)
10:40–11:00 カスプ領域の中性大気質量密度に対する電子降下とJoule加熱の果たす役割
○大井川智一(京大院理)、品川裕之、田口聡
11:00–11:20 IMAP/VISIで見えている複数のMSTIDイベント
○穂積裕太(電通大)、斉藤昭則、西岡未知、Chia-Hung Chen、大塚雄一

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2019年7月10日作成,2019年9月25日更新

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